GMとホンダ、EVの世界展開に向けて共同声明を発表

(米国、日本)

ニューヨーク発

2022年04月06日

米国のゼネラルモーターズ(GM)とホンダは4月5日、2027年の北米市場での販売開始をめどに、コンパクトクロスオーバーSUV(スポーツ用多目的車)(CUV)を含む電気自動車(EV)を共同開発すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。また、共同声明では、両社が技術やデザイン、生産戦略を共有しながら、北米、南米および中国の主要市場においてEVの展開を進めることが明らかになった。両社は2020年9月3日に、北米における戦略的アライアンスの締結を発表していたが、今回の声明を通じて、その対象が世界に広がり、より具体的な協力関係になることが示された(2020年9月4日記事参照)。

EV開発について、両社はGMが開発した次世代アルティウムバッテリー搭載の新たなグローバルアーキテクチャー(世界共通の基本設計)を採用し、製造過程を標準化することで、車両価格の低減を目指す。GMは、販売価格をシボレー「エクイノックスEV」(2023年販売予定価格は3万ドル程度)未満に設定すると発表しており、現在、米国で最も売れているSUVタイプのEVであるテスラ「モデルY」(5万ドル台後半から)などとは異なる低価格帯で、市場に投入されることが見込まれる。

今回の共同声明において、GMのメアリー・バーラ会長兼最高経営責任者(CEO)は「これは、われわれの製品や事業が2040年までにカーボンニュートラルを達成し、2035年までに米国の小型トラックから有害排気物質を出さないという約束を実現するために重要なステップだ。両社は協力を通じて、個別に取り組むよりも速く、世界中の人々をEVに取り込むことができる」と語った。また、ホンダの三部敏宏取締役代表執行役社長は「両社は、グローバルでEVの販売台数を飛躍的に拡大すべく、これまでの技術領域における協業をさらに強固なものにしていく」と述べ、青山真二同執行役専務は「コンパクトクラスの高品質なモデルの開発、生産領域におけるホンダの強みを生かした新たなEVシリーズは、両社の関係をさらに強固なものにする」と述べた。

(大原典子)

(米国、日本)

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