チェコ中銀、金利引き上げ継続、産業界は資金調達コスト上昇を懸念

(チェコ、ウクライナ、ロシア)

プラハ発

2022年04月04日

チェコ国立銀行(中央銀行)は3月31日の定例金融政策会議で、翌4日1日付で政策金利を0.50ポイント引き上げて5.0%とすることを決定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これにより政策金利は2001年11月30日以降、最高の水準に達した。中銀は同時に、ロンバートレート(債権担保貸付金利)とディスカウントレート(割引率)も同様に0.5ポイント引き上げて、それぞれ6.0%、4.0%とした。

政策金利引き上げの決定は2021年6月23日以降(2021年6月25日記事参照)、7回連続となっている。今回の引き上げ要因に関して、中銀は「国内でインフレ圧力が一層顕著なため」と説明している。

チェコでは、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が開始される以前から既にインフレ率(消費者物価指数:CPI、同年同月比)が急増している。統計局によると、CPIは2月には11.1%に達した(添付資料図参照)。これは1998年7月以降最高で、EU統計局(ユーロスタット)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによるとEU27カ国の中でリトアニア、エストニアに次いで3番目に高い数字となっている。中銀はその主な要因について、食品価格の急騰とエネルギー・燃料価格の上昇を挙げている。ウクライナは小麦の重要な輸出国であるため、同国内における戦争の影響で食品部門はさらに強いインフレ圧力を被り、ロシアへの経済制裁も相まって、欧州全体でエネルギー、工業部門でも現在、価格が急激に上昇している状況にあると中銀は説明している。

中銀は2月に発表した冬季経済予測で、インフレ率は2022年の第1四半期にピークを迎え、2023年半ばには中銀のインフレ目標の2%に近づくと予想していた(2022年2月7日記事参照)。しかし、現在の状況を踏まえて2022年の春季もインフレ率は上昇を続け、それ以降も2022年末まで高止まり状態になるとみている。

今後の金利政策に関しては、中銀は新たな情報と春季以降の経済予測を基に検討していくとして、慎重な構えをみせている。

一方、国内産業界には、今回の決定の産業への影響を憂慮する声もある。産業連盟は3月31日に発表したプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、2月の企業向け貸付金利が2004年以降最高の水準に達したことに言及し、企業の資金調達コストが今後さらに上昇すると見込んでいる。

同連盟のボフスラフ・チージェック経済政策部長は、国内企業の多くがインフレ上昇、コストの高騰、原料・部品の不足あるいは供給遅延、先行き不透明な状況への対処を強いられていると指摘し、いずれにしても経済成長の鈍化が避けられない中、「金利引き上げが本当に必要なのか、金融政策の金利チャネルがどのように機能しているのかを問う必要がある」と述べている。

(中川圭子)

(チェコ、ウクライナ、ロシア)

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