産業通商資源部、「ゼロコロナ政策」による中国進出企業のサプライチェーンを点検

(韓国)

ソウル発

2022年04月21日

韓国の産業通商資源部は4月19日、「中国進出企業およびサプライチェーン点検会議」(注1)を開催し、3月以降、中国での新型コロナウイルス感染拡大に伴う都市封鎖が相次ぐ中、韓国産業への影響を確認した。

会議に参加した在上海総領事館のチュ・ウォンソク商務官からは、特に上海での都市封鎖に関し、「港湾・空港の物流機能はかなり低下している中、最近になり上海市が半導体や自動車など重点業種の操業再開を進めているものの、本格的な生産の再開までは時間がかかる」との見通しが示された。

さらに、大韓貿易投資振興公社(KOTRA)のホン・チャンピョ中国地域本部長は「上海周辺の江蘇省、浙江省などの地域は、半導体、バッテリー、石油化学などの主要韓国企業の生産拠点が集中しているため、都市封鎖がこれら地域にも拡大されれば、サプライチェーンに及ぼす影響が拡大する恐れがある」と警鐘を鳴らした。

サプライチェーンの混乱は、国内の生産にも影響が出始めている。韓国GMの富平(プヒョン)工場では、中国現地協力企業が生産するブレーキシステム部品の供給に支障がでているため、従業員の勤務体制を2交代制から1交代制にした。上海で年間3億5,000万食の即席麺などを生産する農心(NONGSHIM)は、3月28日から上海の工場稼働を停止した。4月12日に部分再開したものの、全面再開には至っていないのが現状だ(「朝鮮日報」4月18日)。

ホン本部長は、引き続き中国の新型コロナウイルス感染拡大に伴う都市封鎖などの措置や進出韓国企業の操業などをモニタリングしつつ、中国に進出する中堅・中小企業向けに現地44カ所の共同物流センターでの緊急貨物保管サービスや輸送費支援サービス(注2)を提供していくと付け足した。

(注1)産業通商資源部に加え、在中国韓国大使館、上海、広州、香港領事館の商務官、KOTRA、韓国貿易協会が参加。

(注2)内陸運送費用の総額のうち、1,000万ウォン(約100万円、1ウォン=約0.1円)を上限として、中小企業には内陸輸送費総額の70%、中堅企業には50%を支援。

(当間正明)

(韓国)

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