フランス大統領選、現職のマクロン大統領が再選

(フランス)

パリ発

2022年04月26日

フランス大統領選挙の決選投票が4月24日に行われ、現職のエマニュエル・マクロン大統領が急進右派・国民連合のマリーヌ・ルペン候補を下し、再選を決めた。

内務省の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによれば、得票率はマクロン大統領が58.54%、ルペン候補が41.46%と投票直前の予想(2022年4月12日記事参照)を上回る差をつけて勝利したが、2017年に行われた前回決選投票の結果(66.10%対33.90%)に比べると得票率の差は15ポイント以上縮小し、「極右打倒」の団結力が薄れたことを印象付けた。

棄権率は28.01%と、第1回投票の26.31%、前回決選投票の25.44%を上回った。調査会社イプソス(Ipsos)は4月24日、第1回投票で3位につけた急進左派・不服従のフランスのジャン=リュック・メランション候補の支持者を中心に、(「極右打倒」を支持しつつ、マクロン大統領に不満を持つ)有権者の多くが棄権を選んだと分析した。

マクロン大統領は同日の勝利宣言で、「多くの人が極右を阻むために投票したことを認識している」「これらの票に託された責務を果たしていく」と述べた。また、棄権した人やルペン候補に投票した人を含め、全ての国民の大統領として、(今回の選挙を通じて明らかになった)「怒りや意見の相違に対し、答えを見つけていく」ことを約束した。

他方、敗北したルペン候補は同日、支持者らを前に演説を行い、今回の高い得票率は勝利に値するもので、フランスおよび欧州の既存のシステムに対する国民の強い不信を裏付けるものだと主張した。また、マクロン大統領では社会の分断を修復することはできないと述べ、同大統領が進める改革を阻止する対抗勢力となるため、6月12、19日に行われる国民議会(下院)選挙の勝利に向け、全力で闘う意思を表明した。

マクロン大統領の2期目の就任式は、1期目の就任期間が終了する5月13日までに行われる(公共政策など情報サイト「ビ ピュブリック(Vie publique)」4月25日)。マクロン氏は4月6日付「ル・フィガロ」紙とのインタビューで、再選後に内閣改造を行う意向を示しており、ジャン・カステックス首相は近く辞表を提出するものとみられる。

(山崎あき)

(フランス)

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