英政府、AfCFTA支援プログラムを発表

(英国、アフリカ)

ロンドン発

2022年04月04日

英国政府のアン・マリー・トレビリアン国際通商相は3月29日、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)の交渉と実施を支援するための新プログラム「AfCFTA支援プログラム」を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(2021年1月7日記事参照)。

英国の外務・英連邦・開発省(FCDO)は同プログラムを通じて、最大で3,500万ポンド(約56億円、1ポンド=約160円)を投じ、AfCFTA事務局および加盟国へ貿易円滑化や通商政策に関する支援を提供するとした。支援については、トレードマーク・イースト・アフリカ(TMEA)、海外開発研究所(ODI)やその他の地域パートナーを通じて行うとしている。

政府は、同貿易圏が英国企業に与えるメリットとして、市場参入障壁を取り除くことで、54のAfCFTA加盟国への商品・サービス輸出を容易かつ費用対効果の高いものとできることを挙げた。

トレビリアン国際通商相は、同プログラムにより、アフリカと英国双方の貿易、投資、成長の拡大につながると期待を示した。

今回の発表は、ワムケレ・メネAfCFTA事務局長の訪英に合わせて行われた。AfCFTAの戦略的パートナーとしての英国の今後について議論を行うため、ロンドンを訪問同事務局長は、英国の支援策を歓迎し、「アフリカ大陸全域の税関や貿易の円滑化、通商政策に関連する協力強化に向けたパートナーシップにつながる」と述べた。また、「われわれの目標は、アフリカ人、特に女性や若者の雇用・経済機会創出に向けて、『メード・イン・AfCFTA』製品が大陸全体でビジネスに有意義なかたちで取引されようにすることだ」と強調した。

さらに、同事務局長は3月29日、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス、王立国際問題研究所のイベントにそれぞれ登壇。AfCFTAについては、署名国54カ国のうち42カ国が協定を批准しており進展がみられることを紹介。他方、AfCFTAによる恩恵を受け、アフリカ大陸の社会全体がインクルーシブに発展しなければならないとし、期待される経済効果を生むためには運用のさらなる促進と、今後20~30年の間に、過去長期にわたって細分化した市場の課題に取り組む必要があるとした。

(オステンドルフ・七海・ありさ)

(英国、アフリカ)

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