大統領選の決選投票で中道右派候補が勝利、議会運営は困難の様相

(コスタリカ)

メキシコ発

2022年04月05日

コスタリカ大統領選挙の決選投票が4月3日に実施された。選挙最高裁判所(TSE)によると、開票率98.15%時点で、中道右派で社会民主進歩党(PPSD)のロドリゴ・アルベルト・チャベス・ロブレス前財務相が得票率52.85%で過半数を獲得して勝利した。対立候補の中道の国民解放党(PLN)所属ホセ・マリア・フィゲレス・オルセン元大領領(1994~1998在任)は得票率47.15%で敗退した。決選投票の投票率は56.77%だった。

大統領の任期は4年。憲法で連続再選が禁止されているため、現職のカルロス・アルバラド大統領は今回立候補しなかった。勝利したチャベス・ロブレス氏は5月8日に大統領に就任する。

2月6日に実施された第1回投票では、25人が立候補し、フィゲレス・オルセン氏が全候補者の中で最も高い得票率27.28%を獲得した。ただ、得票率が過半数に達せず、決選投票に持ち込まれた。

2月6日には第1回大統領選挙に合わせて議会総選挙も実施された。国会議員の連続再選は禁止されていることから、全57議席が改選対象だった。この結果、最大野党のPLNが19議席(2増)を獲得して第1党を維持した。チャベス・ロブレス氏が所属するPPSDは10議席(注)の第2党となり、中道右派のキリスト教社会連合党(PUSC)が9議席(増減なし)で第3党に続いた。この結果、PPSDはPUSCと連立した場合でも、議会の過半数とPLNの議席数を超えられず、議会運営は困難が想定される。

ロシアのウクライナ軍事侵攻には全面的に反対の姿勢

チャベス・ロブレス氏は米国オハイオ大学で経済博士号を取得し、米ハーバード大学でアジアの貧困について研究した。その後、世界銀行に約30年間勤め、同行でインドネシアを統括した。アルバラド現政権では2020年5月まで財務相を務めたが、辞職している。第1回投票後、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が激化したことを受け、公式演説ではロシアへの非難と全面的な反対姿勢を示した。

(注)PPSDは2018年の総選挙後の結成された政党のため、2022年が党として初の総選挙だった。

(志賀大祐)

(コスタリカ)

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