カナダ予防接種諮問委、成人や基礎疾患青少年の新型コロナワクチン追加接種を任意から推奨へ切り替え

(カナダ)

トロント発

2022年04月13日

カナダの国家予防接種諮問委員会(NACI、注)は4月12日、新型コロナウイルスワクチン接種のガイドラインを更新し、18歳以上の成人や12~17歳の基礎疾患者などを対象として、ワクチン追加接種(通算3回目)を推奨すると勧告PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。NACIは2021年12月3日と2022年1月28日の勧告で、同グループへの追加接種は任意としていたが、国内での新型コロナウイルス再流行を受けて、接種を推奨するかたちに切り替えた。

NACIの勧告は以下のとおり。

1.18歳以上の成人

新型コロナウイルスワクチンの1次接種(2回)完了後、6カ月以上経過してから、認可されたワクチンの初回追加接種を行うよう推奨する。追加接種はmRNA COVID-19ワクチンを用いるのが望ましい。

2.12~17歳の青少年

(1)以下に当てはまる場合、新型コロナウイルスワクチンの1次接種(2回)完了後、6カ月以上経過してから、mRNAワクチンの初回追加接種を行うよう推奨する。

  • 感染による重症化のリスクが高い基礎疾患者
  • 集団生活環境(避難所、グループホームなど)にある居住者
  • ウイルスの影響を相対的に受けやすい人種や社会から疎外されたコミュニティーに属する者

(2)(1)に当てはまらない場合

新型コロナウイルスの活動が活発な場合、ワクチンの一次接種(2回)完了後6カ月以上経過してから、mRNAワクチンの初回追加接種を行うことができる。

勧告を受け、連邦政府の公衆衛生局長のテレサ・タム博士は同日の記者会見で「(症例数の)再増加がみられる。地域により第6波なのか第何波なのかは異なるだろうが、それが再増加であることには変わりはない。だからこそ、いま追加接種を行うことが重要」として、追加接種が強力な予防策になると述べた。他方、マスク着用については「州や各行政地区が推奨しているか否かにかかわらず、マスクは着用すべき」と強く求めた。

カナダでは感染の再流行を受け、前日の4月11日にオンタリオ州保健局が「パクスロビド」を含む治療薬の投与対象者を拡大するとともに、3月に解除されたマスク着用については、全ての室内環境での着用を「強く推奨」することを発表している(2022年4月12日記事参照)。

(注)NACIは、小児科や感染症、社会科学、公衆衛生などの分野の専門家で構成され、連邦政府に新しく承認されたワクチンの使用に関する指針を提供している。

(飯田洋子)

(カナダ)

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