産業通商資源部、2022年の水素技術開発事業の交付先を選定
(韓国)
ソウル発
2022年04月14日
韓国の産業通商資源部は4月6日、水素エコシステムの拡大のための技術開発事業の支援先を選定・公表した。2022年の予算規模は1,718億ウォン(約172億円、1ウォン=約0.1円)。このうち、新規事業には過去最大規模の442億ウォンを投じる(新規事業および事業概要は添付資料表参照)。
主な新規事業のうち、グリーン水素の生産に関して、経済性のある水電解設備の運用技術を確保するため、10メガワット(MW)以上の大規模な実証プロジェクトを実施する。これまでは、小規模な技術開発・実証事業(注)を通じて段階的に実証を進めてきたが、海外に比べ小規模なことなどを勘案し、大規模プロジェクトによるデータの蓄積や技術力の向上を目指す。具体的には、済州にある30MWの風力発電団地内に12.5MW級の水電解設備を構築し、風力発電由来の電力からグリーン水素を生産する。
水素の輸送・貯蔵においては、液体水素の貯蔵技術、水素タンク、圧縮機などの水素設備部品のコスト削減や高性能化のための技術開発を行う。また、水素の活用に関しては、フォークリフトが大量に使用される現場で燃料電池フォークリフトを投入し、商用化に向けた実証運行を行う。
同部は「原油高と脱炭素問題を同時に解決できる水素経済への移行は不可逆の流れで、グリーン水素の生産、水素モビリティの拡大など水素経済の全サイクルにおける技術力の確保に向け支援を強化していく」と強調した。
(注)これまで、済州で260キロワット級の水電解技術の開発、羅州で2MW、済州で3MW級の実証を実施。
(当間正明)
(韓国)
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