韓国産業通商資源部がCPTPP加盟に関するFAQを公表

(韓国)

ソウル発

2022年04月21日

韓国の通商産業資源部は4月15日、対外経済長官会議で「CPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定)加盟推進計画」が議決されたことを受け、「CPTPPに関する主な質疑応答」(FAQ)を公表した(2022年4月19日記事参照)。以下で、センシティブセクターなどへの説明を抜粋し、紹介する。

(問1)なぜCPTPPに加盟しなければならないのですか。

(答)CPTPPはアジア太平洋地域における主要なメガ自由貿易協定(FTA)で、韓国のCPTPP加盟は、輸出市場の安定的な確保につながり、域内サプライチェーンの強化をもたらすだけでなく、アジア太平洋地域の通商の秩序に主体的に参加するという意味合いがあります。

(問2)CPTPPへの加盟はいつごろ完了しますか。

(答)正式な加盟申請以降も、多くの手続きがあります。正式な加盟申請後、加盟交渉開始の可否を加盟国が決定します。交渉が開始されたとしても、本格的な交渉には時間がかかります。

(問3)CPTPPに加盟することで農水産業への被害が大きくなりませんか。

(答)交渉の結果を予想することは難しいですが、CPTPP加盟国の自由化水準が高い分、韓国も追加の市場開放が必要になる可能性があります。しかし、韓国は農産物の主要輸出国であるオーストラリア、ニュージーランド、カナダとは2国間FTAを通じ、約85%の品目を既に開放しています。米国やEUとのFTAでも、96%以上という高い水準で農産物市場を開放した経験がある点も考慮する必要があります。今後、交渉が本格化する過程において、農水産業のセンシティビティを最大限反映するよう努めていく方針です。

(問4)CPTPPに加盟すると衛生植物検疫措置(SPS)が強化され、輸入農畜産物への衛生検疫がきちんと行われず、食の安全の脅威となりませんか。

(答)CPTPP加盟によって、韓国の衛生検疫規定が緩和されるのではありません。SPSは、加盟国間の透明かつ合理的な衛生検疫制度の運用のための詳細な手続きなどを定めたもので、韓国は関連する国内法令に基づいて、必要な衛生検疫措置をとることができます。

(問5)CPTPPに加盟するためには福島県産の水産物を輸入しなければなりませんか。

(答)福島県産水産物の輸入は、CPTPP加盟と関係する事案ではなく、CPTPP加盟の前提条件でもありません。

(当間正明)

(韓国)

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