CPTPP加入推進計画を対外経済長官会議で議決

(韓国)

ソウル発

2022年04月19日

韓国企画財政部は4月15日、ホン・ナムギ副総理兼企画財政部長官主宰による対外経済長官会議(注)を書面方式で開催し、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)について「CPTPP加入推進計画」を議決したと発表した。

同計画の議決により、CPTPP加入のための手続きが今後進められる。政府はこれまでの利害関係者などからの意見収集や経済効果の分析結果を基に同推進計画を立ててきたとし、国会報告などの関連手続きを着実に履行するとした。さらに、農水産業や畜産業、中小製造業などのセンシティブセクターの意見を加入交渉に最大限反映し、国内対策についても、交渉結果に応じ、積極的に対応していくとした(2022年3月30日記事参照)。

韓国メディアによると、ヨ・ハング産業通商資源部通商交渉本部長はCPTPP加入について「TPP時代から8年以上検討してきた課題」と述べつつ、「急変するグローバル情勢に対応し、アジア太平洋地域内の安定的なサプライチェーン構築を進めていくことに意味がある」と必要性を強調した。また、国内対策として、農水産業を説得することも政府の課題とし、「しっかりとコミュニケーションを取りながら、CPTPP加入を推進していく」と加えた(「朝鮮ビズ」4月15日)。

5月に発足する次期政権で農林畜産食品部長官の候補に指名されたチョン・ファングン氏は長官候補共同記者会見の場で、CPTPP加入申請に反対する農業従事者らへの対応について、「国益を最優先に農業界を説得していく」と述べた(「韓国経済」4月15日)。

(注)経済副総理兼企画財政部長官(委員長)のほか、科学技術情報通信部、外交部、農林畜産食品部、産業通商資源部、環境部、国土交通部、海洋水産部、中小・ベンチャー企業部、国務調整室、経済首席が参加。

(当間正明)

(韓国)

ビジネス短信 3d2e3a7da9e9b304