米経済閣僚、アジアの経済閣僚とインド太平洋経済枠組みを議論

(米国、シンガポール、台湾、フィリピン)

ニューヨーク発

2022年04月21日

米国のキャサリン・タイ通商代表部(USTR)代表とジーナ・レモンド商務長官は4月18~19日に、シンガポール、台湾、フィリピンの経済閣僚とそれぞれ会談を行った。

USTRおよび商務省によると、タイUSTR代表が4月18日に、シンガポールのローレンス・ウォン財務相(USTR会談要旨外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、台湾の鄧振中(John Deng)行政院政務委員と(USTR会談要旨外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、レモンド商務長官が19日にフィリピンのラモン・ロペス貿易産業長官と(商務省会談要旨外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)それぞれ会談したことを発表している。いずれも2国間の通商関係について議論を行ったとしているが、シンガポールとフィリピンとの会談要旨では、バイデン政権が推進している「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」に言及している。ウォン財務相との会談要旨では、タイUSTR代表が「高い野心と耐久性を備えた枠組みを立ち上げるためにインド太平洋のパートナー国と協力したいという、米国の意欲を強調した」としている。ロペス貿易産業長官との会談要旨では、レモンド商務長官が「米国がIPEF立ち上げを進める中、IPEFに対するフィリピン政府の見方を共有するよう呼び掛けた」としている。

一方、タイUSTR代表と台湾の鄧政務委員との会談要旨では、IPEFに関する言及はない。台湾側は今回の会談で、IPEFへの参加を認めるよう米国に働きかけたとされる(ロイター4月19日)。米国議会も台湾のIPEF参加を支持しており、3月末には下院の超党派議員200人超がレモンド商務長官とタイUSTR代表に向けて、台湾をIPEFに含めることを求める書簡を送付したほか、4月15日に台湾を訪問した米国議員団(2022年4月18日記事参照)が蔡英文総統に対し、台湾はIPEFに含まれるべきと発言するなど、積極的な動きをみせている。しかし、バイデン政権は方針を明らかにしていない。上院財政委員会が3月31日に開催した公聴会で登壇したタイUSTR代表は、ボブ・メネンデス外交委員長(民主、ニュージャージー州)から、台湾をIPEFに含む考えはあるかと問われた際に、まだ検討中と回答している。

(磯部真一)

(米国、シンガポール、台湾、フィリピン)

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