長春市の隔離区域外のゼロコロナ実現を発表、操業再開は段階的に

(中国)

大連発

2022年04月18日

中国吉林省政府は4月13日、新型コロナウイルス感染対策の記者会見を開き、長春市が社会的ゼロコロナの目標を実現(注1)し、社会活動の再開を段階的に進めると発表した。同市は引き続き「動態(ダイナミック)ゼロコロナ」(注2)を堅持しつつ、次の段階として、より厳密で現実的な予防策を採用し、社会の管理を行うとともに、生産活動と生活の再開に向けて準備を行う予定とした。

その中でも、産業部門の監督・管理の責任を強調し、各産業での感染予防措置や業務・生産再開に向けた施策を制定し、「一企業一施策」(注3)による産業チェーン、サプライチェーンの安定した運営を行い、業務・生産活動、ビジネスや一般生活、教育現場の順序だった活動再開を推進する方針だ。

長春市の重点国有企業である中国第一汽車集団は市内蔚山工場の生産を再開した。市内にある第一汽車のその他合弁会社も順次生産を再開する予定としている(「新華社」4月14日)。

(注1)長春市では、4月14日に新たに確認された感染者は138人(うち無症状79人)だったが、いずれも濃厚接触等で既に隔離管理されている人の確定診断のため、隔離区域外(市中)で確認された新規感染はゼロとなったと分析している。

(注2)中国政府や対策に携わる専門家の説明によると、「動態(ダイナミック)ゼロコロナ」とは、国内の「感染者の発生をゼロにする」ものではなく、感染者の能動的かつ迅速な発見を行い、感染者に対して速やかに疫学的調査、診断、隔離、治療をして、社区(コミュニティー)内で持続的に感染が広がることを防ぐという防疫戦略とされている。

(注3)新型コロナウイルス対策の「一企業一施策」とは、企業ごとに具体的対策を練り、問題を解決することで、企業の活動再開を後押しする施策。

(山口はるか)

(中国)

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