1~3月の輸出入は増加も、ロシアとウクライナへの輸出は大幅減

(ベトナム)

ハノイ発

2022年04月28日

ベトナム税関総局によると、2022年第1四半期(1~3月)の輸出は891億386万ドル(前年同期比13.4%増)、輸入は876億4,433万ドル(15.2%増)だった。輸出入ともに増加したが、伸び率は前年よりも減速している。貿易収支は14億5,953万ドルの黒字となったが、輸出よりも輸入の増加率が高かったため、黒字額は減少(47.0%減)した。

主要国・地域別にみると、輸出は、米国が259億5,855万ドル(前年同期比16.7%増)で1位、次いで中国134億3,532万ドル(7.0%増)、韓国61億4,578万ドル(18.8%増)だった(添付資料表1参照)。輸入は、中国が274億2,919万ドル(12.6%増)で1位、韓国167億6,609万ドル(32.6%増)、台湾60億7,206万ドル(21.4%増)と続いた。対日本は、輸出が53億7,850万ドル(10.0%増)、輸入は58億1,849万ドル(11.0%増)で、輸出入ともに4位だった。貿易収支は4億3,999万ドルの赤字となった。

ロシア・ウクライナへの輸出は大幅減

一方、ウクライナ情勢の影響で、ロシアとウクライナへの輸出は大幅に減少した。対ロシアの輸出は5億4,380万ドル(前年同期比29.1%減)で、対ウクライナの輸出は4,534万ドル(42.5%減)だった。特にロシア向けの輸出に占める割合が大きい電話機・同部品(54.1%減)、コンピュータ電子製品・同部品(43.5%減)の減少が顕著だった。ウクライナ向けの輸出の半分近くを占める電話機・同部品(49.6%減)も大幅に減少した。輸入は対ロシアが7億370万ドル(36.2%増)、対ウクライナが1億490万ドル(2.2倍)だった。特に、ロシアからの輸入に占める割合の大きい鉄鋼(58.9%増)、石炭(60.3%増)が大幅に増加した。

輸出入全体を主要品目別にみると、輸出は、1位が電話機・同部品、2位がコンピュータ電子製品・同部品、3位が機械設備・同部品となった(添付資料表2参照)。水産物(前年同期比45.4%増)、縫製品(20.3%増)は伸びが顕著だった。

輸入では、1位がコンピュータ電子製品・同部品、2位が機械設備・同部品、3位が電話機・同部品だった(添付資料表3参照)。輸入の4分の1を占めるコンピュータ電子製品・同部品は前年同期比30.4%増で、輸入の増加に大きく寄与した。また、ウクライナ情勢などを受けて世界的に燃料価格が高騰する中、ベトナムでも石油製品(2.3倍)の増加が著しく、輸入の伸びの要因となった。

(蛇見拓斗)

(ベトナム)

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