政策金利を4.00%に引き上げ、国際紛争によりインフレ目標達成時期は2023年に修正

(ペルー)

リマ発

2022年03月14日

ペルー中央準備銀行(BCR)は3月10日の金融政策決定会合で、前回に引き続き(2022年2月14日記事参照)政策金利の引き上げを行い、3.50%から4.00%にすると発表した。BCRは、今回の引き上げの背景について以下のとおり説明している。

  1. 国際的な食料や原油価格の高騰と為替の下落などにより直近12カ月間累計のインフレ率が2月に6.15%となり、一時的に目標値(1~3%)を上回った。食料とエネルギーコストを除く2月の12カ月間累計インフレ率も3.26%と目標値を上回っている。
  2. 年明けから続いている顕著な原油や食料価格の高騰と為替の下落に加えて国際紛争などによる影響も考慮すると、インフレ率が目標値(1~3%)内に収まるのは2023年の上半期(1~6月)になる見通し。インフレ率が下落傾向になるのは、一時的な原油や食料価格の高騰が収まり経済活動がまだ本来の水準を下回っているだろう2022年7月以降の見通し。
  3. 今後12カ月間の累計のインフレ率の見通しが3.73%から3.75%に上昇し、目標値の上限を上回っている。
  4. 新型コロナウイルスの感染再拡大や、消費財やサービスの国際供給力の低下、先進国における財政刺激策などの効果に対する不透明感などにより、世界的に経済活動が鈍化したものの回復基調にある。一方で直近の国際紛争により、国際経済の回復時期やコモディティ価格の上昇圧力に対する不透明感は増している。

BCR理事会では、引き続きインフレ率やその見通しや経済動向などを注視しながら、不安定な金融市場を下支えしていくとしている。次回のBCR金融政策決定会合は4月7日を予定している。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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