江蘇省・浙江省が上海市の濃厚接触者に6万室の隔離施設を提供

(中国)

上海発

2022年04月11日

中国・上海市内の新型コロナウイルスの新規感染者数は、3月下旬から4月以降も増加傾向が続き、収束が見通せない状況にある。上海市衛生健康管理委員会の発表によると、4月6日、上海市内では新たに322人の確定症例と、1万9,660人の無症状感染者が確認された。3月1日から4月6日までの累計感染者数(無症状感染者含む)は11万人を突破した。

江蘇省と浙江省は、上海市内の新規感染者の急増を受け、国務院の新型コロナウイルス防疫メカニズムの方針に基づき、上海市内の陽性者(無症状感染者を含む)の濃厚接触者に対して、それぞれの省が3万室、合計6万室の隔離施設を提供する。江蘇省は4月6日までに既に約1万6,000室を提供しており、その内訳は、揚州市(3,300室)、南京市(3,200室)、塩城市(2,300室)、常州市(2,200室)、無錫市(2,000室)、泰州市(1,000室)、蘇州市(980室)、鎮江市(960室)となっている。浙江省も4月6日までに既に約2万1,000室を提供し、内訳は寧波市(6,200室)、杭州市(5,200室)、紹興市(3,000室)、金華市(3,000室)、台州市(2,000室)、湖州市(2,000室)となっている(「新民晩報」2022年4月6日)。

隔離施設への移送にあたり、上海市から同施設に移送される全ての人(濃厚接触者、バスの運転手、随行の防疫人員を含む)は、出発前の24時間以内のPCR検査陰性証明の持参が求められ、14日間の集中隔離も必要となる(「東方網」2022年4月7日)。ただし、濃厚接触者のうち、高齢者、未成年者、妊産婦、障害がある者、基礎性疾患や精神疾患などを持つ者は本移送の対象外となり、上海市の集中隔離場所での隔離となる。4月4日以降、上海市の16の区の濃厚接触者は、継続的に江蘇省と浙江省に移送されている。

上海市内でも、軽症者や無症状感染者を収容する施設の確保に向けた動きが進んでいる。中国国際輸入博覧会の会場として使われる「上海国家会議展示センター」にも4万床規模の臨時病院を設置する計画で、4月9日午前0時の竣工(しゅんこう)を目指す(「澎湃新聞」2022年4月7日)。

(宋青青)

(中国)

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