米テスラの太陽光発電を活用したビットコイン採掘、2022年後半にテキサス州で開始へ

(米国、カナダ)

ヒューストン発

2022年04月19日

ブロックチェーン技術開発のブロックストリーム(本社:カナダ・ブリティッシュコロンビア州)とデジタル決済サービスのブロック(本社:米国カリフォルニア州サンフランシスコ、注)は4月8日、暗号資産の1つであるビットコインのマイニング(採掘)施設を共同でテキサス州に建設すると発表した。両社がそれぞれ600万ドルを投資する。

施設は2022年後半に完成の予定で、電気自動車(EV)メーカーのテスラ(本社:テキサス州オースティン)の太陽光発電と蓄電技術が利用される。本プロジェクトの定期的な収支報告に加え、発電量やビットコイン採掘量などのパフォーマンスをリアルタイムで示すダッシュボードが一般に公開される予定だ。

ブロックストリームのアダム・バック最高経営責任者(CEO)は「この取り組みは、ビットコイン採掘がゼロエミッションの電力インフラに資金を供給し、将来的な経済成長に貢献するという、われわれの理論を証明するステップだ」と述べた。ブロックでグローバルESGリーダーを務めるニール・ヨルゲンセン氏は「100%太陽光発電によるビットコイン採掘を行うことで、再生可能エネルギーとビットコインの相乗効果をより一層促進させる」と述べた。

大量の電力を要する暗号資産の採掘に当たり、既存電力網への負荷軽減や再生可能エネルギーによる発電利用の傾向が高まっている。テキサス州は、太陽光発電や風力発電などによる再生エネルギー発電量が全米1位であることから(2021年10月11日付地域・分析レポート参照)、暗号資産の採掘場所として注目が集まる。

(注)ブロックは、ツイッター元最高経営責任者(CEO)ジャック・ドーシー氏らが2009年に設立した企業。2013年に、北米以外の地域では初めて日本に進出。2021年12月に、スクエアからブロックへと社名変更。

(深澤竜太)

(米国、カナダ)

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