2022年の家庭向け電力価格は前年比4.6%増、ガソリン代は455ドル増、米エネルギー情報局見通し

(米国)

ニューヨーク発

2022年04月14日

米国エネルギー情報局(EIA)は4月13日、短期のエネルギー予測を公表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。その中で、2022年の家庭向け電力価格は前年比4.6%増、世帯当たりの年間ガソリン支出額は約455ドル増となるとの見通しを明らかにした。

家庭向け電力価格は、2021年に前年比4.3%増と高い伸びを記録した。2022年は家庭向け電力の販売量は減少すると予想されているものの、経済が正常化するにつれて商業向け、産業向けともに電力販売が増加し、総電力販売量は前年から約1.6%程度増加すると予測されることから、家庭向け電力価格の伸び率は前年と同程度の4.6%増となると見込んでいる。

ガソリン価格は、運転する機会が多くなる4~9月の期間のレギュラーガソリンの1ガロン(約3.8リットル)当たり平均小売価格を3.84ドルと予測する。2021年夏の平均小売価格は1ガロン3.06ドルだったが、今夏は2014年以来最高の水準に達するとしている。2022年通年では、米国の平均世帯でガソリンに約2,945ドルを費やすことになると予想しており、これは前年よりも455ドル多いとしている。

ウクライナ情勢の悪化などによるエネルギー価格の高騰に伴い、4月12日に発表された3月の消費者物価指数では、電気代が前年同月比11.1%増、ガソリン代が同48.0%増と、どちらも高い伸びを見せた。両品目が家計に占める割合は、電気代が約2.5%、ガソリンが約3.9%と、そのシェアは決して小さくない。ガソリンについては、戦略備蓄の放出(2022年4月1日記事参照)やエタノール混合ガソリンの夏季販売解禁(2022年4月13日記事参照)などの価格抑制策を打ち出しているが、4月13日時点のガソリン価格は1ガロン4.08ドル程度と高止まりが続く。バイデン政権は石油会社に増産を求め、供給不足を緩和、価格を抑制させようとしているが、原油増産はバイデン政権の中長期目標である2030年までに温室効果ガス(GHG)排出量を2005年比で50~52%削減する目標に逆行することとなる。今回発表されたEIAの見通しでも、2022年のエネルギー関連の二酸化炭素(CO2)排出量は前年比2%増加すると予想されている。一部の環境保護推進派からは、バイデン政権がクリーンエネルギー推進をほごにするのではないかという懸念の声も出始めている(政治専門誌「ポリティコ」4月13日)。短期的には、ガソリンをはじめとするエネルギー価格の抑制がバイデン政権の最優先課題だが、支持基盤の1つである環境保護推進派への配慮も今後さらに求められそうだ。

(宮野慶太)

(米国)

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