計画的なガス供給停止を発表、各産業で影響

(バングラデシュ)

ダッカ発

2022年04月22日

バングラデシュでは、4月に入ってガス供給量が一時的に減少し、11日には計画的な供給停止が発表された。石油供給公社ペトロバングラは12日から26日までの15日間、繊維・縫製業などの輸出志向型産業に対し、1日当たり4時間(午後5時から午後9時まで)、ガス供給を停止すると発表した。

断食月ラマダンが明けると、イード休暇に入る。そのため、例年は各縫製工場で休業に入る前に、オーダーを全て生産して発送する必要がある。しかし、1日4時間のガス供給停止により、生地の染色工程や縫製後のアイロンプレス工程に支障を来し、特に輸出向け発送に遅れが生じる可能性がある。

今回の通達に対し、バングラデシュ縫製品製造業・輸出業協会(BGMEA)は、輸出志向型産業に対するガス供給停止を取り下げるように要請したと報道されている。イード前にオーダーをこなせず、商品がデリバリーできない場合、労働者への給与やボーナスの支払いができなくなり、労働者の騒動が引き起こされる恐れがあるとしている。

今回のガス供給停止の背景としては、同国最大のガス採掘地であるビビヤナ・ガス田の技術的な理由による一時的な採掘量の減少が挙げられる。さらに、ラマダン期間中の電力消費量の増加分による発電をガスに大きく依存しているため、供給が逼迫したためと報じられている。

(安藤裕二)

(バングラデシュ)

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