成都市で日本産酒類商談会を開催、多種多様な銘柄が消費者のもとへ

(中国)

成都発

2022年04月11日

ジェトロは3月31日、「成都日本産酒類商談会」を開催した。当イベントは中国西南地域における日本酒を中心とした日本産酒類(焼酎、ワイン、梅酒などを含む)の流通拡大を目的に開催したもので、北京や上海市など中国沿海地域に拠点を置いて活動する貿易会社や自治体など計10社・自治体が出展し、活発な商談を行った。

多種多様な銘柄が浸透し始めた成都市日本酒市場

成都市の日本酒市場は、2~3年前までは知名度が高い一部の銘柄のみに人気が集中し、当地で流通する銘柄は限定的だった。しかし、2020年ごろから市内での日本酒のPRイベントが頻繁に行われるようになり、多くの銘柄が流通し始めた。成都市大手小売店関係者によると、「3年前と比べて日本酒の取り扱い銘柄数は2倍に増えた。成都バイヤーの日本酒の調達基準は、以前は『銘柄のブランド力』のみだったのが、近年はバイヤーのリテラシーも高まり、『味』『料理との相性』『酒蔵の歴史』といった背景知識も吟味するようになった」という。今回のイベントでも「魚料理と相性のいい銘柄はなにか」「この酒蔵はどういった企業か」といった料理との相性、会社概要などに関する質問が多数飛び交った。

ジェトロでは2021年4月以降計4回にわたり、成都市で日本酒商談会を開催した。商談会を通じた商談の成果もあり、新たに多くの銘柄の日本酒が成都市場で流通し始めている。林本店(岐阜県)の百十郎シリーズは、日系小売業大手のイトーヨーカ堂や伊勢丹などで販売されているほか、市内の人気日本食店舗でも取り扱われるなど知名度が高まっている。百十郎シリーズは、風味が異なる計10種類が流通し、豊富なラインアップにより、日本食との相性はもちろんのこと、銘柄によっては四川料理とも相性がよいとされ、成都の食生活への浸透が期待される。

写真 会場での商品PRの様子(ジェトロ撮影)

会場での商品PRの様子(ジェトロ撮影)

(寺田俊作)

(中国)

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