米アスペン・エアロジェルズ、EV向け遮熱材工場をジョージア州で建設

(米国)

アトランタ発

2022年04月11日

断熱材の開発・製造を行う米国アスペン・エアロジェルズ(本社:マサチューセッツ州ノースボロー)は3月31日、ジョージア州南東部に位置するブロック郡ステーツボロ近郊で、電気自動車(EV)向け特殊遮熱材工場の起工式を行った。3億2,500万ドルを投じて90エーカー(約36万4,000平方メートル)の敷地内に50万平方フィート(約4万6,000平方メートル)の先端製造施設を建設し、2023年後半の稼働を予定している。

アスペンが開発した高性能ナノテク断熱材のエアロジェルは、熱伝導率が非常に小さく、既存断熱材では十分な断熱ができない狭い場所でも使用でき、耐久性にも優れている。エアロジェルを利用したEV向け製品「PyroThinは、薄型・軽量の遮熱・防火材で、リチウムイオンバッテリーのセル、モジュール、パック間での熱暴走を抑制するために設計されたものだ。ジョージア州の新工場は、ロードアイランド州イーストプロビデンスの工場と合わせて同社のエアロジェル生産能力を3倍に増強し、急成長するEV市場への対応を目指す。年間6億5,000万ドルの製品を生産する計画で、熟練オペレーター、プロセスエンジニアや品質・メンテナンス技術者など高度人材を含め約250人の雇用を見込んでいる。

ジョージア州政府はEV産業関連企業の誘致に力を入れており、最近では韓国のSKイノベーションが26億ドルを投じて2つのバッテリー工場の建設を進め、第1工場での生産開始は2022年を予定している(2021年9月14日付地域・分析レポート参照)。また、2021年12月には、新興EVメーカーのリビアンが、50億ドルを投資しEV完成車工場を建設すると発表した(2021年12月21日記事参照)。アスペンの進出について、ジョージア州のブライアン・ケンプ知事は「アスペンは、ジョージア州、州の人々、そして州内で成長する電動モビリティ・セクターを信頼してくれている。同社が急速に拡大するジョージア州のEV関連企業の一員に加わることをうれしく思う」と歓迎している。

(高橋卓也)

(米国)

ビジネス短信 408e35126caeed2e