第1四半期の輸出入ともに前年同期比20%超の伸び、電子部品が好調維持

(台湾)

中国北アジア課

2022年04月14日

台湾財政部が4月8日に発表した貿易統計(速報)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2022年第1四半期(1~3月)の輸出は前年同期比23.5%増の1,209億3,400万ドル、輸入は25.8%増の1,054億5,465万ドルだった。貿易収支は154億7,935万ドルの黒字となった。

国・地域別にみると、最大の輸出先である中国は前年同期比13.0%増の322億3,884万ドル、香港は27.9%増の172億4,414万ドルだった(添付資料表1参照)。香港に加えて、ASEANや米国、欧州、日本向けはそれぞれ前年同期比20%以上の伸びを記録し、とりわけ米国は情報通信機器の輸出が増加して36.8%増となった。日本向けは25.3%増の79億2,741万ドルだった。輸入では、ASEANや米国が20%以上の伸びを記録した。

商品別にみると、輸出では、電子部品(33.1%増)や情報通信機器(17.2%増)の寄与が大きかった(添付資料表2参照)。とりわけ電子部品については、3月単月の輸出額が過去最高の182億3,576万ドルを記録した。このほか、卑金属および同製品(30.1%増)、鉱産品(83.3%増)も伸び率が大きかった。輸入では、電子部品(27.8%増)の寄与が大きかったほか、原油を含む鉱産品が70.4%増と伸びが顕著だった。燃料価格や原材料価格の高騰などが背景にあると考えられる。

今後の見通しについて財政部は、旺盛な半導体需要や、それに伴う域内の同産業の設備投資拡充が輸出増加につながると分析した。その一方で、新型コロナウイルスによる持続的な影響や、ウクライナ問題、サプライチェーンのボトルネック、インフレ圧力など外部的な不確実性も存在しているため、これらの動向を注視する必要があると指摘した。

(柏瀬あすか)

(台湾)

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