米アクシオム、国際宇宙ステーションへの世界初の民間宇宙飛行士ミッション、打ち上げに成功

(米国)

ヒューストン発

2022年04月11日

有人宇宙飛行サービスを提供する米国アクシオムスペース(本社:テキサス州ヒューストン)は4月8日、世界で初めて民間宇宙飛行士のみによる国際宇宙ステーション(ISS)派遣ミッション「Ax-1」の打ち上げに成功したと発表した。打ち上げには、スペースX(本社:カリフォルニア州ホーソン)のロケット「ファルコン9」および宇宙船「クルードラゴン・エンデバー」が使用された。

今回のミッションに参加した4人のクルーは、米国時間4月9日早朝にISSに到着した後、8日間のISS滞在期間中に25以上の科学実験に参加する予定だ。

同社のマイケル・スフレディーニ最高経営責任者(CEO)は、本ミッションを「(同社の民間宇宙ステーション建設計画実現に向けた)先駆的なミッション」とし、「4人のクルーがISSへ足を踏み入れる時、民間有人宇宙飛行の新しい時代が到来する。この旅は、クルーとアクシオムスペースのチーム、パートナーであるスペースXの、長時間にわたる訓練、計画、献身の集大成であるとともに、地球低軌道での持続可能な開発を行うというNASAのビジョンの功績でもある」と述べた。

民間企業による宇宙旅行が盛り上がりをみせている。2021年9月にはスペースXが民間宇宙飛行士だけの宇宙飛行ミッション「インスピレーション4」を遂行したほか、ブルー・オリジン(本社:ワシントン州ケント)が2021年に有人宇宙飛行を3回実施した。ヴァージン・ギャラクティック(カリフォルニア州モハーベ)も2021年7月に宇宙旅行の試験飛行に成功している。

アクシオムスペースは、NASA(米航空宇宙局)ジョンソン宇宙センターでISSプログラムマネジャーを務めていたスフレディーニ氏によって、2016年に創業された宇宙インフラ開発企業。2021年2月にシリーズBで1億3,000万ドルを調達しユニコーン(注)になった。同社は今後、2022年秋から2023年春までの期間に、今回に続くISS派遣ミッション「Ax-2」を計画中。また、2024年以降の民間宇宙ステーション建設を目指している。

(注)ユニコーンとは、評価額10億ドル以上の未上場企業。

(深澤竜太)

(米国)

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