中南米最大規模の国際食品・飲料展示会「アヌフード・ブラジル」3年ぶりに開催

(ブラジル)

サンパウロ発

2022年04月28日

2022年4月12日から14日にかけて、ブラジル・サンパウロ州で中南米最大規模の国際食品・飲料展示会「第3回アヌフード(ANUFOOD)・ブラジル」が対面式で開催された。

アヌフード・ブラジルは、欧州最大級の食品見本市「アヌーガ」のブラジル版として、2018年に第1回が開催された。2019年に開催された「第2回アヌフード(ANUFOOD)・ブラジル」以来、3年ぶりの開催となった(注1)。ブラジルでは新型コロナウイルス感染拡大が落ち着きつつあり(2022年4月12日記事参照)、2022年4月1日から外国人渡航者への入国制限措置も一部緩和されている(2022年4月13日記事参照)。こうした状況の中、米国、アルゼンチン、ペルー、ウルグアイ、イタリア、ドイツ、トルコ、インドネシア、スリランカの国別ブースも設けられた(注2)。

4月19日付のアヌフード・ブラジル事務局の公式サイトによれば、開催期間中の来訪者数は1万134人(注3)。約300社の出展企業・団体が、900以上の食品・飲料ブランドを展示した。同事務局によれば、今回は、消費者の関心が高まっているイノベーティブな食品、職人が手掛ける食品、機能性飲料、オーガニック製品などの展示が見どころだった。

例えば、イノベーティブな食品として、植物由来の原料で卵やマヨネーズを代替する食品ブランド「ノーヴォ」が出展、紹介された。「ノーヴォ」は、ブラジル南東部の位置するミナスジェライス州の大手鶏卵生産企業であるマンチケーラ・グループのイノベーション部門から、2019年に誕生した食品ブランドだ。

また、職人が手掛ける食品として、南部リオ・グランデ・ド・スル州で100年以上の歴史のあるカシャッサメーカー「ベーリョ・アランビーキ」のオーガニック商品などが展示、紹介された(注4)。

同展示会を主催したケルンメッセのベニ・ピアテスキー代表は、4月19日付のアヌフード・ブラジル事務局公式サイトで、対面式のイベントを再開できるようになった状況を踏まえ、「出展者や参加者がアヌフードで実際に新たな技術に触れ、人脈を拡大する機会を設けることは食品・飲食業界の成長にとって不可欠だ」と総括した。

「第4回 アヌフード(ANUFOOD)・ブラジル」は、2023年4月11~13日に開催が予定されている(4月19日付アヌフード・ブラジル事務局公式サイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(注5)。

写真 「第3回アヌフード(ANUFOOD)・ブラジル」会場(ジェトロ撮影)

「第3回アヌフード(ANUFOOD)・ブラジル」会場(ジェトロ撮影)

写真 植物由来の卵やマヨネーズの食品ブランド「ノーヴォ」のブース(ジェトロ撮影)

植物由来の卵やマヨネーズの食品ブランド「ノーヴォ」のブース(ジェトロ撮影)

写真 カシャッシャ・メーカー「ベーリョ・アランビーキ」のオーガニック商品など(ジェトロ撮影)

カシャッシャ・メーカー「ベーリョ・アランビーキ」のオーガニック商品など(ジェトロ撮影)

(注1)入場時、新型コロナワクチン接種証明書の提示が求められた。その上で、会場では食品の試食、飲料の試飲が行われていた。

(注2)2019年3月に開催された「第2回アヌフード(ANUFOOD)・ブラジル」では11カ国の国別ブースが設けられた。

(注3)2022年4月21日時点で、ブラジル輸出投資振興局(Apex-Brasil)公式サイトで公開している情報によれば、2018年の第1回開催では、7,395人が来訪した。同日時点でアヌフード・ブラジル事務局公式サイトが公開している情報によれば、2019年の第2回開催では、約9,000人が来訪した。

(注4)カシャッサは、サトウキビを原料として作られるブラジル原産の蒸留酒。

(注5)ジェトロ・サンパウロ事務所がアヌフード・ブラジル事務局に4月25日に確認したところ、次回出展に関心がある場合、a.guerra@koelnmesse.com.br(セースルエグゼクティブのAcacio Guerra氏)が窓口。

(古木勇生)

(ブラジル)

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