英米が第2回大西洋横断対話を開催、声明でウクライナ情勢にも言及

(英国、米国、ロシア、ウクライナ)

ロンドン発

2022年04月27日

英国は4月25、26日、2回目となる「大西洋貿易の未来に関する対話」をスコットランドのアバディーンで開催(2022年3月24日記事参照)。英国のアン・マリー・トレビリアン国際通商相と米国通商代表部(USTR)のキャサリン・タイ代表が参加。同対話にはスコットランド政府や中央政府、各地方自治体、企業や業界団体、市民団体が参加しており、米国の州レベルでの貿易障壁の撤廃や資格の相互認証なども含め、両国間のさらなる取り組み強化の基礎となることが期待される。

両氏は対話後の26日に共同声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。今後数週間かけて以下を含む分野に関して、経済的に有意義な成果を伴うロードマップの作成を指示した。

○中小企業の貿易支援

貿易障壁の特定と克服に向けた協力、中小企業向けの貿易円滑化措置への注力、ベストプラクティスの共有を推進し、中小企業の促進と支援に資する取り組みに向けた連携などを通じて、英米企業の貿易を支援・強化。

○デジタル貿易のメリット活用

貿易システムと取引のデジタル化支援を通じ、企業、労働者、消費者に資するデジタル貿易の成果の促進。

○強靭(きょうじん)なサプライチェーンの支援

両国の専門知識を生かし、強力かつ強固なサプライチェーンを確保することで、重要物品のサプライチェーンの強靭化促進に向け協力。

○食料安全保障

開かれた、かつ予見性の高い、法に基づいた農産品貿易を支援し、サプライチェーン混乱の影響を緩和するほか、現在のロシアのウクライナ侵攻により悪化した国際的な食料安全保障を回復。両国で協力を継続し、将来の危機に対してより強靭、効率的かつ持続可能な食料システムを確保し、安全かつ手ごろな食料を世界中の消費者が手に入れられるよう努める。

○環境・気候変動対応支援

企業、グリーン雇用、低炭素経済の発展支援のため、両国経済の脱炭素化、情報共有、共同アプローチの開発に向けた取り組みにより、貿易と環境面の協力を深化。

○ロシアによるウクライナ侵攻

侵攻終結のため、経済的な圧力をさらに高められるよう両国が準備。引き続き緊密に連携し、G7やWTO加盟国を含む他の国際的なパートナーに対して、ウクライナの経済回復支援に向けた取り組みを呼びかけ。

(山田恭之)

(英国、米国、ロシア、ウクライナ)

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