2021年の中国各省の経済規模を各国・地域と比較、上位3省合計が日本を上回る

(中国)

中国北アジア課

2022年04月27日

ジェトロはこのほど、CEICのデータを基に、中国の各省・自治区・直轄市のGRP(域内総生産)総額(名目、以下同)をドル換算し(注1)、GDP総額が上位の各国・地域(注2)に、GRP総額が上位の中国各地域を加え、GDP・GRP金額降順に上位50位の状況をまとめた(添付資料表参照)。

主なポイントは以下のとおり。

  • 上位50位の中に、中国の18省・直轄市がラインクインし、全体の3分の1以上を占めた。2019年は上位50位に入ったのは14省・直轄市だったが、2020年は17省・直轄市に、2021年には18省・直轄市に増えた。中国全体の経済成長とともに各地域レベルの経済規模も着実に拡大している様子がうかがえる。
  • 地域別の最上位は10位の広東省(1兆9,282億ドル)で、9位のカナダ(1兆9,908億ドル)と僅差になった。10位以内に中国の省・自治区・直轄市が入るのは初めて。
  • 11位には江蘇省(1兆8,041億ドル)が続いた。広東省とともに、いずれも前年から順位を1つ上げ、12位の韓国(1兆7,985億ドル)を上回った。
  • 山東省(19位、1兆2,883億ドル)、浙江省(21位、1兆1,398億ドル)は、メキシコ(18位、1兆2,948億ドル)やインドネシア(20位、1兆1,861億ドル)の経済規模にほぼ匹敵している。
  • なお、GRP総額上位3省(広東省、江蘇省、山東省)のGRP総額を合計すると5兆206億ドルとなり、米国、中国に次いで3位の日本(4兆9,374億ドル)の経済規模を上回った。
  • このほか、中西部内陸地域では、河南省(23位、9,130億ドル)と四川省(24位、8,349億ドル)がサウジアラビア(25位、8,335億ドル)を上回り、オランダ(22位、1兆187億ドル)に迫る規模となっている。

(注1)CEICのデータを基に、2021年の中国の省・自治区・直轄市の名目GRP総額を同年の平均レート(IMF "International Financial Statistics"2021年の期中平均値)でドル換算した。

(注2)各国・地域の名目GDP総額は、IMF「World Economic Outlook Database, April 2021」による。一部の国・地域については推計値となっている。

(小林伶)

(中国)

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