米商務省、ロシアの貨物航空大手に輸出管理規則違反の罰則を発令

(米国、ロシア、ウクライナ)

ニューヨーク発

2022年04月25日

米国商務省産業安全保障局(BIS)は4月21日、米国の輸出管理規則(EAR)に違反したとして、ロシアの貨物航空大手アビアスタルの輸出特権を180日間停止する暫定拒否命令(TDO)を発令した。

商務省のプレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、輸出特権が停止された場合、対象事業体はEARに従属する取引に参加できなくなる。BISは、ロシアによるウクライナ侵攻が勃発して以降、ロシア向けの輸出管理を強化している。航空機に関しては、米国製航空機や、25%を超える割合で米国製品を含む外国製航空機が、ロシアの個人・事業体により所有・運営される、またはロシアに輸出される場合は、BISの許可が必要としている。EARに違反してロシアに入国した航空機を特定してリスト化したうえで、随時更新しており、4月14日時点では合計153機が掲載されている(2022年4月19日記事参照)。これらの航空機に対して、BISの許可なくサービスを提供した場合、所在地にかかわらず、EAR違反のリスクを負い、禁錮や罰金などの法執行の対象になり得る。TDOは、BISの判断で延長される可能性もある。BISがロシアとウクライナ向けに強化した輸出管理規則の内容については、同局の特設ページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

アビアスタルへの罰則発令について、BISは具体的なEAR違反の事由を記載していないが、4月19日に着任したアラン・エステベス商務次官(産業安全保障担当)は「貨物航空の能力は軍事的な成功と経済的な繁栄に不可欠で、それ故にわれわれはロシアの航空宇宙分野をターゲットにした」としている。またTDOについて、「ロシアが迅速に人的資源、貨物、武器を運搬する能力を激減させるという狙い」において、BISの輸出管理執行チームは非常に効果を上げている証左となるとしている。エステベス氏は、国防総省で兵站(へいたん)担当の首席副次官を務めるなど、防衛・航空宇宙分野に詳しいとされる。ジーナ・レモンド商務長官は「彼の経験は、ロシアの責任追及や中国との長期かつ戦略的競争での勝利、重要なサプライチェーンの保護および米国の技術的リーダーシップの推進というバイデン政権の安全保障・外交政策でBISが主導的役割を果たす上で、計り知れない資産となる」と評しており、今後、同氏はバイデン政権の輸出管理政策の立案・遂行において重要な役割を果たすとみられている。

2月以降に米国が発動した対ロシア・ベラルーシ関連の制裁については、添付資料を参照。

(磯部真一)

(米国、ロシア、ウクライナ)

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