欧州産業界、欧州委の循環型経済政策パッケージへの支持や注文を表明

(EU)

ブリュッセル発

2022年04月05日

欧州委員会が3月30日に発表した持続可能な製品政策枠組みのパッケージ第1弾(2022年4月4日記事参照)について、欧州産業界からは歓迎の声や注文が相次いだ。

ビジネスヨーロッパ(欧州産業連盟)は同日付声明で、同パッケージが持続可能な製品や二次原材料について欧州市場をさらに発展させる機会となると歓迎した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。一方で、持続可能な製品のためのエコデザイン規則案とデジタル製品パスポートについて、循環型経済の推進や情報開示を支援するものとなる可能性があるが、コスト効率性、機密性や比例性などが重要視されなければならないと指摘した。

情報通信技術(ICT)関連産業団体のデジタルヨーロッパは4月1日、同パッケージは製品の持続可能性の向上などに向けて適切な目標を設定していると評価したが、EU域内市場全体で持続可能性についての各種要件を調和することが非常に重要だと指摘した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。その上で、例えば、情報保護や透明性の確保ができ、かつグリーンウォッシング(実質を伴わない環境訴求)を防止することが可能だとして、ブロックチェーン技術を挙げ、規則に基づく政策の実施に当たって、デジタル化されたソリューションの活用を強く訴えた。

官民協力の推進や中小企業支援への期待、企業負担増への懸念も

欧州繊維産業連盟(EURATEX)は3月30日、パッケージの「持続可能な循環型繊維製品戦略」(2022年4月4日記事参照)を歓迎し、戦略が欧州企業の持続可能性の向上や投資への取り組みへの支持となるべきだとした(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。EURATEXは特に繊維製品の再利用やリサイクル、EUレベルの二次原材料市場の確立に向けて関係者間のさらなる協力が必要だと指摘した。さらに、欧州委が新たに立ち上げる官民共同イニシアチブ「繊維製品エコシステムの移行への道」では、持続可能性について目標の達成方法や、中小企業のコスト負担の規模、グリーン化に向けての企業への支援方法、国際競争力への影響といった課題を扱うべきだとした。また、エコデザイン規則案について、繊維部門を活性化させ、欧州が新たな製造部門のグリーン化、デジタル化の成功モデルを作り出す可能性はあるが、過剰な規制やコストによって欧州の繊維部門のバリューチェーンを破壊しかねないと指摘。官民が新たな協働方法を模索し、バリューチェーン全体から得るデータや、適合性評価、中小企業への効果的な支援などに基づいた、現実的な規則運用が必要だと訴えた。

欧州機械・電気・電子・金属加工産業連盟(ORGALIM)は3月31日、建設資材規則の改正案(2022年4月4日記事参照)について声明を発表して歓迎した(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。ORGALIMは改正案によって、現行規則で実施が困難となっている課題の解決などへの期待を示すと同時に、CEマーキングの貼付のために、さらに多くの技術文書が必要になると懸念した。また、欧州標準化機関で製品規格の策定が遅れている場合、欧州委が委任法令で技術的な要件を定めるとした条項が盛り込まれたことについて、標準化の市場整合性や標準化分野の専門家の意欲を損なうものだと危惧を示した。

(滝澤祥子)

(EU)

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