欧州特許庁、2021年の特許申請に関する報告書を発表、申請数は過去最高に

(EU)

ブリュッセル発

2022年04月08日

欧州特許庁(EPO)は4月5日、2021年に申請された特許に関する報告書を発表(プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。それによると、2021年の申請数は18万8,600件となり、前年比で4.5%増加し、過去最高の申請数を記録した。

2021年の特許の申請状況を分野別でみると、デジタル通信技術の申請数が前年比9.4%増の1万5,400件で最も多かった。医療技術(0.8%増)は1万5,321件で2位となり、コンピュータ技術(1万4,671件、9.7%増)、電気機械器具・エネルギー(1万2,054件、5.7%増)、輸送機器(9,399件、4.5%増)が続いた。報告書によると、分類した35の技術分野の半数以上で2019年を上回る申請数となった。ICT(情報通信技術)関連技術は申請数全体の31%以上を占め、特にデジタル通信とコンピュータ技術の伸びが顕著でそれぞれ前年から9%超の伸び率となった。また、オーディオビジュアルと半導体関連技術もそれぞれ20%超の伸び率だった。

特許の申請状況を国別でみると、前年に引き続き米国からの申請数が最も多く、全体の24.7%を占めた。次いでドイツ(シェア:13.8%)、日本(11.5%)、中国(8.8%)、フランス(5.6%)の順となった(添付資料表参照)。申請数の前年からの伸び率は、件数上位10カ国の中で中国が最も高く(前年比24.0%増)、次いで米国(5.2%増)だった。

EPO加盟国(注)では、ドイツからの特許申請数が最も多く、次いでフランス、スイス、オランダ、英国となった。特にアジアの国・地域からの申請数が増加したことで、欧州の申請数のシェアは減少が続いており、2013年の50%から2021年は44%まで縮小した。

特許の申請状況を企業別でみると、華為技術〔ファーウェイ(中国)〕が首位となり、2020年に首位だったサムスン(韓国)を追い越した。次いでLG(韓国)、エリクソン(スウェーデン)、シーメンス(ドイツ)、レイセオン・テクノロジーズ(米国)、クアルコム(米国)、ソニー(日本)、フィリップス(オランダ)、ボッシュ(ドイツ)が上位10社となった。

2021年に申請された特許のうち、20%は個人または中小企業(従業員数250人未満)からの申請が占め、また、5%が大学または公的研究機関からの申請だった。

(注)EU27カ国、アルバニア、スイス、アイスランド、リヒテンシュタイン、モナコ、北マケドニア、ノルウェー、セルビア、サンマリノ、トルコ、英国の計38カ国。

(大中登紀子)

(EU)

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