公正取引委員会、SKハイニックスによるファウンドリー企業買収を承認

(韓国)

ソウル発

2022年04月04日

韓国の公正取引委員会は3月30日、半導体の「成熟品」(注1)のファウンドリー市場での競争制限的な企業結合につながる恐れがないと判断し、SKハイニックスによるキーファウンドリー(注2)の買収(注3)を承認した。

同委員会は、両社の間で重複する事業領域となる「成熟品」市場を関連市場とみなし、水平統合の観点から検討した結果、(1)両社合計後の市場占有率は5%台である点、(2)「成熟品」のファウンドリー市場は台湾の台湾積体電路製造(TSMC)および聯華電子(UMC)、米国のグローバル・ファウンドリーズなどの競合他社が十分に存在する点により、競争を制限する恐れがないと判断した。

また、垂直統合の観点では、(1)SKハイニックスは今回の買収以前からコントローラICなどの生産をTSMCなどの第三者に委託し、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなど成熟品の生産は子会社のSKハイニックスシステムICにその大部分を委託してきた点、(2)キーファウンドリーは12インチのウエハー工法と先端品プロセス技術を有していないため、企業結合後、SKハイニックスがキーファウンドリーに先端品などの生産を委託することで競合他社を排除する可能性は低い点から、競争を制限する可能性は低い、と判断した。

(注1)公正取引員会ではテクノロジー・ノードが90ナノメートル以上の製品を半導体の「成熟品」と定義。なお、「先端品」は同28ナノメートル以下の製品。

(注2)清州市に本社を置くファウンドリー企業。旧LG半導体を母体とし、2020年に設立された。

(注3)SKハイニックスは、私募ファンドのマグナスPEFからキーファウンドリーの株式100%を5,758億ウォン(約576億円、1ウォン=約0.1円)で取得する契約を2021年10月29日に締結し、2021年12月27日に公正取引員会に対し企業結合を申請した。

(当間正明)

(韓国)

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