日本酒のブラジルへの輸出額が過去最高を記録、180ミリリットルサイズの販路も視野に

(ブラジル)

サンパウロ発

2022年04月07日

ジェトロは3月2日から25日にかけて、「ブラジルでの180ミリリットル(ml)の販路可能性に係る調査」と題するアンケート調査を実施した(注1)。調査の目的は、同サイズの日本酒に対するブラジルの潜在的なニーズを把握するため。試験的に輸入した450本の日本酒180mlの一合缶をブラジル国内の一般消費者やレストラン、小売店舗に試飲してもらってアンケートへの回答を得た。

その結果、一般消費者の立場で回答した人の95%が同サイズを購入するメリットが「ある」とした。理由として最も多かったのが「ブラジル国内で多く流通する日本酒(720ml)の容量より180mlは消費に適している」(47%)というものだった。次いで「各種の銘柄を楽しめる」(22%、注2)、「保管が容易」(17%)と続いた。「パッケージ(3本または5本)での購入希望がある」との回答も87%に達した。

レストラン・小売店の立場から回答した人は、91%が「180mlを販売したい」と回答。理由は「低価格帯の実現」(28%)、「パッケージ(3本または5本)販売が可能」(23%)、「各種の銘柄を楽しめる」(21%)だった。

ブラジルで輸入販売される日本酒の小売価格は、高額な関税や国内で賦課される間接税などにより、日本の小売価格の約3~4倍となる。こうした状況により、ブラジル市場では販売のターゲットが高所得者層に限られがちだ。特に、2020年から2021年にかけて現地通貨レアルの対ドルレートが新型コロナウイルス感染拡大以前と比較すると下落傾向にあり、2019年比で小売価格は高騰した(注3)。また、世界的なコンテナ不足で物流が乱れる課題もあり、日本酒輸送にも影響が出た。だが、日本の財務省貿易統計によると、2021年のブラジルへの日本酒輸出額(FOB、HSコード:2206.00.200)は、金額ベースで1988年以来過去最高額となる、1億5,204万円を記録した。

「新型コロナ禍」でも、日本酒はブラジルで販路を拡大している。この背景には、日本酒を専門に取り扱う輸入業者が近年増加したこと等が関係していると考えられる。また「日本酒利き酒師」の称号を持つ在ブラジルの輸入業者が日本酒の啓発を行うべく、セミナーや試飲会、レストランなどで消費者に日本酒の魅力を説明する機会が増えている。こうした活動を通して、新規に日本酒の取り扱いを始める卸し先が増えており、より多くの最終消費者が日本酒にアクセスする機会が増え、日本酒への理解も向上してきた。さらに、こういった輸入業者は、蔵元側が求める正しい保管方法を理解し、実践することを卸し先のレストランなどにも浸透させている。この活動を通して最終消費者に、おいしさと品質が担保された日本酒が提供されることも、ブラジルにおける需要増の要因と考えられる。

(注1)有効回答数は、一般消費者279人、レストラン・小売店56社。アンケートは一般消費者向けと、レストラン・小売店の事業者向けと2種を用意した。国際ビジネス情報番組「世界は今 -JETRO Global Eye」でも関連する動画外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを掲載。

(注2)限られた貯蔵スペースに多品種の銘柄(商品)を置けるという意も含む。

(注3)中央銀行によると、2019年通年の平均値は1ドル=3.94レアル、2020年は1ドル=5.24レアル、2021年は1ドル=5.41レアル。

(斎藤裕之、エリーナ大島)

(ブラジル)

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