米シカゴ市、燃料高騰を受けてガソリン代などの支援開始

(米国)

シカゴ発

2022年04月28日

米国シカゴ市は4月27日、最近の燃料価格の高騰を受けた対応策として、ガソリン代や公共交通機関の運賃を補助する支援策「シカゴ・ムーブ」への申し込み受け付けを開始した。この支援策はロリ・ライトフット市長(民主党)が3月31日に発表し、4月27日に市議会を通過したものだ。

支援策の具体的な内容としては、ガソリン代金の支払いに使用可能な150ドル分のプリペイドカードを5万人に、市内で運行する地下鉄やバスなどの公共交通機関で使用可能な50ドル分のチケットを10万人に配布する。支援総額1,250万ドルの75%は、交通の便が悪い市南部や西部などの低所得者エリアに割り当て、残りの25%は抽選にするとしている。

市長再選を視野に入れた選挙対策との声も

シカゴ市では2023年に市長選挙が予定されており、ライトフット市長は2期目の立候補については明言していないものの、市議会では今回の支援策は選挙対策との批判が聞かれた。また、市長選挙に立候補を予定している資産家のウィリー・ウィルソン氏は、自らの資産を活用してこれまで3度にわたり、市民に対してガソリンの無料提供キャンペーンを展開しており、こうした取り組みへの対抗策だとの見方もある。

(藤本富士王)

(米国)

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