山東省、ドバイ万博通じてUAEとの経済・文化交流を強化

(中国、アラブ首長国連邦)

青島発

2022年04月05日

中国の山東省政府は、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催のドバイ万博の中国館で3月22日から24日の3日間、「山東ウイーク」と題した一連のイベントを開催した。このイベントでは「シルクロードの起点、イノベーションの家(Origin of Silk Road, Home to Innovation)」をテーマに、UAEなどとの経済・文化両面の連携強化に向けたPRイベントなどを行った。

中国新聞社の報道によると、山東ウイーク初日の22日には「開幕式と経済・貿易商談会」がドバイと山東省済南市との間でオンラインとオフラインを組み合わせて同時開催された。開幕式では、ドバイ万博中国館の張慎峰政府総代表(CCPIT副会長)や両国の大使、山東省政府の汲斌昌副省長ら主要な関係者があいさつした。

アリ・オバイド・アル・ダヘリ駐中国UAE大使は開幕式で「UAEと山東省はインフラ、観光、食品、エネルギーなどの分野で幅広い協力関係を築いてきた。ドバイ博覧会開催をきっかけに、中国人観光者のUAEへの来訪を歓迎するとともに、UAE国民に山東省への訪問を勧めたい」と発言した(「中国新聞社」3月23日)。倪堅駐UAE中国大使は「2021年の山東省とUAE間の貿易額は前年比71.5%増の83億ドルとなった。山東港口集団、ハイセンスといった山東省の著名企業がUAEに進出している。山東省とUAEとの戦略的マッチングの強化・発展を引き続き支援する」と述べた(同)。汲副省長は「ドバイ万博をきっかけに、科学技術・イノベーション、投資・貿易、金融サービス、文化・芸術、新型コロナウイルス感染の予防・防止措置などの分野で、山東省とドバイとの提携を強化したい」とのメッセージを発信した(同)。

イベントでは、両地域の企業・政府のPRプレゼンテーションや、関連プロジェクトの公開調印式が続いた(「澎湃新聞」3月23日)。23日に山東ウイーク「済南デー」、24日には「青島デー」など、山東省内の各都市による一連の関連イベントが開催された(「大衆網」3月24日)。

前述の2021年の山東省とUAE間の貿易額(83億ドル)は、日本と山東省間の貿易額1,822億元(ドル換算では約286億ドル、1ドル=約6.37元)の約3割程度の規模となる。一方、投資面からみると、新型コロナ禍前の2018年、2019年の山東省からUAEへの投資額(フロー、登録・許認可ベース)は1億ドル超となっており、日本への投資額を大きく超える規模となっていた(添付資料表参照)。UAEはアジアインフラ投資銀行(AIIB)創設メンバーで、中国の「一帯一路」戦略を積極的に支持する国家の1つともされている(「人民日報」2018年7月19日)。

(朱秀霞)

(中国、アラブ首長国連邦)

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