日本食材を中華料理に、大連で新たな可能性探るイベント開催

(中国、日本)

大連発

2022年03月24日

中国遼寧省大連市で3月10、11日に「2022年遼寧日本料理産業発展大会」が開催された。2019年と2020年に続いて3回目となる大会は、遼寧省飲食調理業界協会とその傘下組織の日本料理専門委員会(注1)が主催した。当初は2021年11月開催予定だったが、大連市内で同月に新型コロナウイルス感染が拡大したことを受けて3月に延期となった(2021年11月15日記事参照)。大会への出展企業数は78社、2日間の来場者は約1,600人で、2020年の約3,000人より少なく、新型コロナウイルス感染拡大を受けた移動制限が大きく影響した。ジェトロは大連市を中心とした日系企業17社(注2)を取りまとめてジェトロブースとして出展。出展日系企業は東北3省の日本料理店や中華料理店と交流・商談を行った。

ジェトロブースでは、出展日系企業の日本食材を用いた中華料理の調理デモンストレーションや試食イベントを開催した。同イベントにはジェトロブースから11社が参加し、会場となった大連フラマホテルの料理人が各社の食材を使って調理したほか、各社は企業紹介や商品紹介を行った。また、梅酒を使用した「紅焼肉」(豚の角煮)や五目ごはんの素を使用した「炒葱油餅」(小麦を使った生地に刻みネギを入れて焼いたもの)などが提供された。参加者からは、例えば「紅焼肉」について「甘いが、後味がすっきりしている」「脂っこくない」などの声が出て好評だった。また「日本食材を中華料理に取り入れるという発想は考えたこともなかったので面白い」とのコメントが多数あった。「日本食材を中華料理に取り入れるアイデアが斬新で、新たな可能性を感じた」という今後に向けた前向きな声も寄せられた。

イベントでメニューを考案した遼寧省飲食調理業界協会・日本料理専門委員会の由暁東主席は「日本食材のさらなる販路拡大には、日本食のみならず、中華料理への応用が不可欠だ」と同イベント実施の意義を語っている。

ジェトロでは、今後も日本食材の販路拡大に向けたイベントを継続的に実施していく。

写真 梅酒を使用した「紅焼肉」(ジェトロ撮影)

梅酒を使用した「紅焼肉」(ジェトロ撮影)

写真 五目ごはんの素を使用した「炒葱油餅」(ジェトロ撮影)

五目ごはんの素を使用した「炒葱油餅」(ジェトロ撮影)

(注1)2019年10月に遼寧飲食調理業界協会の傘下組織として大連市に設立。日本料理と関連産業の発展を目的とする業界団体。

(注2)17社のうち14社がブース出展、3社はカタログのみの出展。

(山口はるか)

(中国、日本)

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