米石油大手シェブロン、CO2回収技術を持つ英カーボン・クリーンに出資

(米国)

ヒューストン発

2022年03月01日

米国石油大手シェブロンの子会社シェブロンU.S.A.(本社:カリフォルニア州サン・ラモン)は2月24日、費用対効果の大きい産業用二酸化炭素(CO2)回収の主要企業である英国のカーボン・クリーン(本社:ロンドン)に出資したと発表した。

カーボン・クリーンの技術は、CO2回収に必要なコストと物理的な設置スペースを削減するように設計されている。カーボン・クリーンの技術と完全にモジュール化された構造により、CO2回収現場の混乱を減らし、CO2回収に向けた迅速な許可が期待される。

出資の一環として、両社は、カリフォルニア州サンウォーキンバレーにおいて、CO2回収実証事業の実施を模索している。CO2回収は、精製、セメント、鉄鋼などのエネルギー集約型の産業で排出量を削減する上で重要な役割を果たす。シェブロンは、顧客、政府、および業界との既存・新たなパートナーシップを活用する地域ハブの開発に重点を置いて、2020年代末までに年間2,500万トン相当のCO2を貯留することを目標にしている。

シェブロン・ニュー・エナジーのCO2回収・利用・貯留(CCUS)担当バイスプレジデントのクリス・パワーズ氏は「シェブロンは、技術革新を支援してきた長い歴史がある。われわれは、市場で低炭素ソリューションを可能にするものを含め、画期的な技術の開発と商業化に向けて、社内の能力と長年のパートナーシップアプローチを適用するよう努めている」と述べている。

カーボン・クリーンのアニルッダ・シャーマ共同創業者兼最高経営責任者(CEO)は「新しい低炭素技術を開発しながら、CO2削減が困難な部門を脱炭素化することが重要だ。今回の投資とシェブロンなどのパートナーとの協力により、炭素回収の指数関数的成長を実現し、増加する需要に対応する機会が得られる」と述べている。

シェブロンU.S.A.は2021年9月13日に、同社新エネルギー部門のシェブロン・ニュー・エナジーを通じて、石油ガスのパイプライン輸送を担う米国エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(本社:テキサス州ヒューストン)と、米国内陸部とメキシコ湾岸でのCCUS関連ビジネス機会の模索で提携したことを発表している(2021年9月16日記事参照)。

(沖本憲司)

(米国)

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