米石油大手シェブロンとエンタープライズ、CO2回収・利用・貯留(CCUS)事業で提携

(米国)

ヒューストン発

2021年09月16日

米国石油大手シェブロンの子会社シェブロンU.S.A.(本社:カリフォルニア州サン・ラモン)は9月13日、同社新エネルギー部門のシェブロン・ニュー・エナジーを通じて、石油ガスのパイプライン輸送を担う米エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ(本社:テキサス州ヒューストン)と、米内陸部とメキシコ湾岸での二酸化炭素(CO2)回収・利用・貯留(CCUS)関連ビジネス機会の模索で提携したことを発表した。

シェブロン・ニュー・エナジーのジェフ・グスタフソン社長は「今回の協業で両社の専門性を活用することにより、商用規模の低炭素ビジネスの成長を促進することが可能となる」「国連の気候変動に携わる科学者らは、CO2回収が低炭素の将来に向けたグローバルなエネルギーシステムの遷移を後押しするのに必要な技術と認識している」と述べている。

エンタープライズのジム・ティーグ共同最高経営責任者(CEO)は「シェブロンとの共同研究は、自社のCO2排出量を適切に管理し、低炭素経済を支える新たな石油ガス輸送サービスを顧客に提供するための新技術の開発・利用、自社の輸送・貯蔵ネットワークの活用に注力していることの一環だ」「既存の資産を適切に更新・転用していくことが今後のプロジェクトを成功させるために重要」と述べている。

両社はこれまでの事業機会で協力関係を築いており、CCUSビジネスでも互いが補完的な役割を担うことにより成功を収めることを期待している。エンタープライズが有する広範囲な石油ガスのパイプラインと貯蔵ネットワーク、シェブロンが有する海洋石油ガス開発の知見を組み合わせることにより、CO2を回収・集約・輸送・貯留する機会を創出することを狙いとしている。

シェブロンU.S.A.は7月15日に、米国エンジンメーカーのカミンズ(本社:インディアナ州コロンバス)と水素関連ビジネスの促進を目的とする戦略的提携のための覚書を締結したことを発表しており(2021年7月19日記事参照)、4月21日にトヨタ・モーター・ノース・アメリカ(本社:テキサス州プレイノ)と水素関連ビジネスの促進を目的とする戦略的提携のための覚書を結んだことを発表している(2021年4月27日記事参照)。

(沖本憲司)

(米国)

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