ベルリンでECバイヤーと連携し宮城県産「復興」日本酒をPR・販売

(ドイツ、日本)

ベルリン発

2022年03月30日

ジェトロは、2021年度のジャパンモール事業の一環で、宮城県産の日本酒3酒蔵6銘柄について、ドイツ・ベルリンで日本の高級酒やスピリッツを扱うEC(電子商取引)バイヤーのGinza Berlin(ギンザ・ベルリン)を通じた、オンラインでのプロモーション・販売を支援するとともに、レストラン・バー向けの試飲会をベルリンで開催した。

本事業に先立ち、2021年8月、ジェトロは「ドイツの食品EC市場」セミナーを宮城県の食品事業者向けに開催した。ジェトロ・ベルリン事務所海外コーディネーター(農林水産・食品分野)の西岡宏氏とGinza BerlinのCEO(最高経営責任者)であるカイ・フライダー氏が、ドイツにおけるアルコールや食品のEC市場の動向やECプラットフォームについて説明した。その後、蔵王酒造、佐々木酒造、角星酒造が本事業に参加し、Ginza BerlinのECプラットフォーム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでの各銘柄のプロモーション・販売に取り組んでいる。

また、今回対象となった日本酒の普及・販売促進のため、ジェトロは2022年3月14日に、ベルリンのホテル、アドロン・ケンピンスキー・ベルリンで現地のレストランやバーなどに向けて試飲会を開催した。

冒頭、和爾俊樹(わにとしき)ジェトロ・ベルリン事務所長より、東日本大震災から11年になるとして、蔵王酒造、佐々木酒造、角星酒造の日本酒について、各酒造の復興の足跡とともに紹介が行われた。Ginza Berlinのフライダー氏の解説のもと、ドイツの食材(主に魚介類)とのペアリングにより、各酒蔵の純米大吟醸、純米吟醸、純米酒、ゆず酒などが提供された。近年、ドイツでは柚子(ユズ)を用いた食品が「YUZU」として多数流通しており、気仙沼の柚子を使用した「ゆず酒」は、特に評判が良かった。

参加者からは「辛い料理、甘い料理のどちらにも合う」「ドイツのリースリングワインによく似ているので、ワインと同等に提供できる」「品質の良さがすぐに分かる」「ボトルのデザインが良い」「魚料理との相性が良い」「各酒造の復興のエピソードも大変興味深かった」など具体的な意見やコメントが聞かれ、今後レストランなどへの販売を見込んだ新たな販路の開拓や新規の商談につながる動きもあり、ニーズは高まると期待される。

また、試飲会に参加した、ミシュラン2つ星を獲得しているベルリンのデザートダイニングレストランCODAのオーナーシェフであるレネー・フランク氏は「ベルリンで歴史あるホテルのアドロン・ケンピンスキー・ベルリンで宮城県の日本酒の可能性について概観する良い機会だった」と語った。

なお、ジェトロはEC市場を含むドイツの農林水産・食品分野の最近の動向について、西岡氏によるオンラインセミナー「コロナ禍で変化したドイツ市場の今」もアーカイブ配信(無料)している。

写真 アドロン・ケンピンスキー・ベルリンで現地のレストランやバーなどに向け試飲会を開催(ジェトロ撮影)

アドロン・ケンピンスキー・ベルリンで現地のレストランやバーなどに向け試飲会を開催(ジェトロ撮影)

(小菅宏幸、佐藤由美子)

(ドイツ、日本)

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