2050年までのカーボンニュートラル達成を大多数が支持、米シンクタンク調査

(米国)

米州課

2022年03月04日

米国のシンクタンク、ピュー・リサーチ・センターは3月1日、カーボンニュートラルに向けた動きに関する世論調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注)を発表した。

世界的なエネルギー需要の増加と二酸化炭素排出量の増加の中で、米国は石油、石炭、天然ガスの生産拡大よりも、風力や太陽光など代替エネルギー源の開発を優先すべきとの回答は69%に達した。また、2050年までにカーボンニュートラルになるための措置を講じるべきとの回答も69%だった。

他方、化石燃料と再生可能エネルギーの両方を使用すべきという回答は67%で、化石燃料使用を完全に止めるべきとする31%を大きく上回った。

支持政党別では、2050年までにカーボンニュートラルになるための措置を講じるべきとする民主党支持中道・保守派は88%、民主党支持リベラル派は94%と大多数が支持するが、共和党支持保守派では33%、共和党支持中道・リベラル派は66%と大きな開きがある。

化石燃料の使用については、共和党支持保守派では完全に止めるべきとするのは、わずか6%で、民主党リベラル派(63%)との隔たりが大きい。

米国が気候変動の影響を減らすための国際的な取り組みに参加することには75%が賛成し、反対としたのは24%だった。

再生可能エネルギー利用で期待される効果

化石燃料の生産を減らし、再生可能エネルギーの利用を促進することで期待される効果については、「大気や水質の改善」(63%)、「エネルギー分野での雇用機会の増加」(56%)への期待が高かった。その他は、「冷暖房費の節約」(39%)、「電力網の信頼性向上」(38%)、「異常気象頻度の低減」(37%)などだった。

住宅所有者の太陽光パネル設置については、設置を検討しているのは39%、設置完了は8%だった。住宅所有者が太陽光パネル設置を検討または設置完了の割合が最も高いのは西部(太平洋地区)で62%、南部(西南中部地区)や北東部が47%、中西部が40%だった。設置の目的としては、光熱費の節約(92%)、環境への貢献(81%)、設備費の税額控除(64%)などが挙げられた。

(注)実施時期は2022年1月24~30日。回答者は全米の成人1万237人。

(松岡智恵子)

(米国)

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