モロッコ、ロシアのウクライナに対する軍事行動に声明発表

(モロッコ、ロシア、ウクライナ)

ラバト発

2022年03月02日

モロッコ外務省は2月26日、ロシアのウクライナに対する軍事行動について初めて声明を発表した。声明では、国連全加盟国に対し、領土保全と各国の結束を支持、国家間の紛争解決は武力を用いず、平和的解決を図るべく全力を尽くすべきとした。

地元メディアによると、医学や薬学など理工系のモロッコ人学生がウクライナに1万人程度おり、現地のモロッコ大使館の国外退去要請を受けて、2月15日からモロッコ航空やアラブ航空の臨時便で避難者を受け入れたが、多くの学生は渡航書類や資金の用意が急にはできず、また、新型コロナウイルスワクチン接種など感染対策の遅れから、モロッコへの入国要件を満たしていないなど懸念し、現地にとどまっている。

事態の悪化を受け、ウクライナと国境を接するなどしているEU諸国のモロッコ大使館職員に加え、地元在住者や、フランス、ベルギーなどから駆け付けたボランティアがSNSを使って避難者の受け入れを始めている。さらに2月27日には、モロッコ航空はEU域内に逃れた学生らの本国帰還をサポートするため、ルーマニア(ブカレスト)、ハンガリー(ブダペスト)、ポーランド(ワルシャワ)からの臨時便を3月2日に運航すると発表した。料金は750ディルハム(約75ドル、1ディルハム=約0.1ドル)でカサブランカに移送するとしている。

モロッコ政府は欧米のようなロシアを名指しした批判は行っていない。モロッコにとってウクライナは、小麦などの穀物の主要供給国であり、2020年は金額ベースで2億8,600万ドル相当を輸入、穀物の輸入全体の約13%を占めている。一方、ロシアは火力発電用の石炭の主要供給元で、同年の輸入額は5億5,400万ドル、石炭輸入全体の約87%を占めた。地元メディアによると、ロシアは、モロッコと国交断絶中の隣国アルジェリアとの経済や軍事連携を深めているとされ、モロッコはロシアとの良好な関係維持に努めており、刺激したくないとの事情もあるようだ。

地元メディアは、エジプトやチュニジア、アルジェリアなど他の北アフリカ諸国もウクライナやロシアから穀物を調達しており、備蓄が十分でない国は、今回の紛争が長期化して供給が滞ると食料価格をさらに押し上げる要因となり、社会不安を招きかねないと懸念を伝えている。

(本田雅英)

(モロッコ、ロシア、ウクライナ)

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