2021年第4四半期のGDP成長率、前期比3.4%
(オーストラリア)
シドニー発
2022年03月04日
オーストラリア統計局(ABS)は3月2日、2021年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率が前期比3.4%だったと発表した(添付資料表1参照)。新型コロナウイルスのデルタ型変異株の感染拡大によって外出制限措置が長期化し、大きく影響を受けた前期のマイナス1.9%から大幅に改善した。また、前年同期比では4.2%と堅調さを維持した。
需要項目別の実質GDPを前期比でみると、新型コロナ対策に伴う制限措置の緩和によって個人消費が大幅に増加したことから、民間最終消費支出は6.3%増となった。一方、労働力や建築資材の不足などの影響を受けて住宅投資が減少したことなどから、国内総固定資本形成は1.5%減少した。財貨・サービスの輸出は、穀物の輸出が好調だったものの、悪天候などの影響を受けて石炭の輸出が減少し、全体では1.5%減となった。財貨・サービスの輸入も、資本財の輸入の減少などによって0.9%減となった。
産業別にみると、制限措置の緩和によって宿泊・飲食サービス業(前期比26.1%増)が大きく伸びたほか、農林水産業(9.0%増)、小売業(7.4%増)などが大きく増加した(添付資料表2参照)。一方、オーストラリアの主要産業である鉱業は1.0%減となった。鉄鉱石(0.7%増)は増加したものの、石炭(4.5%減)、石油・ガス(1.5%減)は落ち込んだ。
ジョシュ・フライデンバーグ財務相は「世界的な不確実性の高まりやパンデミックの継続的な影響を受ける中、オーストラリア経済は非常に力強く、新型コロナ感染拡大前となる2019年12月の水準を3.4%上回った」と強調した。なお、オーストラリアでは、2021年12月後半からオミクロン型変異株の感染が急拡大したが、ABSによると、今回の結果にその影響はまだ表れなかったという。
(住裕美)
(オーストラリア)
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