米政権、新たな新型コロナウイルス対応計画を発表

(米国)

ニューヨーク発

2022年03月04日

米国のバイデン政権は3月2日、「米国における新型コロナウイルス対応計画(National Covid-19 Preparedness Plan)」を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。この計画には大きく4つの目的があり、(1)新型コロナウイルス感染を防ぎ、治療する、(2)新しい変異株に備える、(3)経済や学校の閉鎖を防ぐ、(4)全世界でワクチンを接種させ、生命を救う、で構成されている。

(1)については、州や地域の保健当局などと共に、さらに多くのワクチンを供給するための活動方法や、5歳未満の子供へのワクチン接種が承認され次第、すぐに利便性のある場所で接種可能にする準備が保証されているとしている。また、追加接種用を含むワクチンに加え、抗体や抗ウイルス剤なども十分に備蓄されており、重症化しやすい人々のための予防療治療薬なども準備されているとしている。

さらに、「検査から治療まで(Test to Treat)」という新しい計画を立て、無料で検査から治療までを1カ所で受けられる場所を、3月から全米数百カ所の地域の薬局や医療施設、長期介護施設、退役軍人保健施設などに設けるとした。

自宅で受けられる感染検査キットに関しては、政府のウェブサイトから無料で取り寄せが可能外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、1世帯につき、4回分の検査キットを1つ受け取れることとなっていたが、3月の第2週からは、既に1度受け取った世帯でも、もう1度受け取ることが可能になる。また、3月下旬には、無料のマスク配布場所とワクチン接種施設を検索できるウェブサイトを立ち上げ、そこには新型コロナウイルスに関する地域の最新情報も掲載し、人々が自分の身を守るための情報を得られるようにするとした。

(3)の経済と学校の閉鎖を防ぐ計画については、換気を改善するためのガイダンスやテスト、物資、ならびにチェックリストを提供するとした。また、新型コロナウイルス感染症からの回復または看病のために欠勤する従業員向けに、中小企業が有給病気休暇を提供するのを支援するための税額控除を、連邦議会と協力して復活させるとした。そのほか、労働省の労働安全衛生局(OSHA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを通じて職場における新型コロナウイルス感染対応のガイダンスを更新することや、子供を持つ親が安心して通勤できるよう保育園などを開き続けるための支援も計画に含まれている。さらに、連邦政府職員の大半が既に職場に復帰していることから、連邦政府機関は公共での対面サービスの提供時間を4月から延長するとした。もはや新型コロナウイルスに働き方を左右される必要はないとし、連邦政府が働き方の手本としてリードしていくとした。

「米国における新型コロナウイルス対応計画(National Covid-19 Preparedness Plan)」の要旨外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますはホワイトハウスのポータルサイトから閲覧できる。

(吉田奈津絵)

(米国)

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