ホンダ、バッテリーシェア事業で国営石油会社HPCLとパートナーシップに合意

(インド、日本)

ベンガルール発

2022年03月09日

ホンダは2月25日、電動三輪タクシー(リキシャ)など小型モビリティー向けのバッテリーシェアリングサービス事業を行う現地法人のホンダパワーパックエナジーインディアと、インド国営石油ヒンドゥスタン・ペトロリアム(HPCL)が商業協定を締結し、インドの主要都市にあるHPCL給油所でのバッテリーシェアリングサービス提供に向けた取り組みを行っていくことを発表した(添付資料参照)。

ホンダパワーパックエナジーインディアは2021年11月にインド南部ベンガルールに設立されたホンダの現地法人で、インドで製造した着脱式可搬バッテリー「ホンダ・モバイルパワーパックe:」を用いたシェアリングサービスの展開を予定している(2021年12月9日記事参照)。リキシャのドライバーは同サービスを利用することで、電気自動車(EV)を購入する初期費用を大幅に抑えることができる。また、電池交換ステーションで残量の少なくなったバッテリーを満充電されたものと交換することができるため、電池切れの心配や充電待ちで無駄になる時間を最小限にして、利用客を失うリスクを軽減できるとしている。

HPCLはインド全土に1万9,000以上の給油所を持つ大手の国営石油会社で、電動車の充電所を向こう3年で5,000カ所以上に、大半は自社の給油所に設置するかたちで整備する計画がある(「エコノミック・タイムズ」紙2021年9月18日)。

ホンダは2022年前半にバッテリー・アズ・ア・サービス(BaaS)事業を商業ベースで開始し、HPCLの持つ給油所網を活用して戦略的に電池交換ステーションのネットワークを構築する。ベンガルールを皮切りに順次、ほかの主要都市に拡大していく。まずは三輪車に注力するが、最終的には二輪車へもサービスを展開する予定だ。

両社は2月7日にオンライン署名式を行い、インドの温室効果ガス(GHG)排出量の約20%を占める輸送部門の電動化を積極的に推進することで、GHG排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現に貢献していく姿勢を示していた。

写真 バッテリー交換ステーション「ホンダ・モバイルパワーパック・エクスチェンジャー e:」(右奥)と「E-AUTOリキシャ」(ホンダ提供)

バッテリー交換ステーション「ホンダ・モバイルパワーパック・エクスチェンジャー e:」(右奥)と「E-AUTOリキシャ」(ホンダ提供)

(倉谷咲輝)

(インド、日本)

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