4月以降の新型コロナ対策を大幅に簡素化、旅行者の入国時指針も明らかに

(マレーシア)

クアラルンプール発

2022年03月11日

マレーシアが4月1日以降、新型コロナウイルスのエンデミック(一定の周期で繰り返される流行)への移行期間に入ることを受け(2022年3月10日記事参照)、ヒシャムディン・フセイン上級相は9日、新型コロナウイルス感染対策をまとめた「標準作業手順書(SOP)」を4月から簡素化することを発表した。現在181点に及ぶSOPの内容について、10項目からなる1つのみとする(首相府Facebook外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、マレー語のみ)。マレーシア首相府によると、「1988年感染症予防および管理法(法律第342号)」の下で、4月以降も公共の場所でのマスク着用などを引き続き義務付ける。新型コロナウイルス感染対策アプリ「マイセジャテラ」(MySejahtera)による登録は、引き続き施設入場時に必要だ。他方、従業員のワクチン接種率に応じた出勤制限は撤廃する(添付資料表参照)。交通・旅行、小売り・飲食、宿泊施設など特定分野に適用するガイドラインと併せて、近日中に詳細を発表する。

旅行者に対する4月以降の入国時の指針も発表

同日会見したカイリー・ジャマルディン保健相は、外国から到着する観光客も含め、4月以降に適用する新型コロナウイルス関連規制の詳細を発表した。主な内容は以下のとおり。

  • ワクチン接種を2回完了していれば、マレーシア入国後の隔離は不要。居住国を出発する2日前以内のPCR検査と、入国後24時間以内の抗原検査のみ求める。
  • ワクチン接種未完了者は、入国後5日間の隔離が必要。飲食店での店内飲食は不可。
  • 4月1日以前に入国し隔離が必要な場合にも、同日付で隔離が解除される(3月中の隔離運用については在マレーシア日本国大使館ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照)。
  • 18歳未満の未成年者は、ワクチン接種未完了でも隔離は不要。
  • 健康上の理由でワクチンを接種できない旅行者は、医師から取得した証明書を、政府の新型コロナウイルス感染対策アプリ「MySejahtera」(マイセジャテラ)を通じて申告。
  • 国境を接する国との陸路の往来に対しては、都度検査を行うのは現実的でないため、別途詳細を調整する。
  • ナイトクラブは4月1日以降も営業を再開しない。

なお、政府は、新型コロナウイルス関連の規制を簡潔にまとめた新たなウェブサイト「コビット・プロトコル外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(英語)の運用も開始した。感染した場合や感染の疑いがある場合など、自身の状況に応じて、マレーシア国内でどのような対応が必要となるか確認することができる。

(吾郷伊都子、エスター頼敏寧)

(マレーシア)

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