バイデン米政権、ロシア中銀などへの金融制裁を強化

(米国、ロシア、ウクライナ)

ニューヨーク発

2022年03月01日

米国のバイデン政権は2月28日、ロシアによるウクライナへの軍事行動が継続していることを受けて、ロシア中央銀行などへの金融制裁を強化した。

米国財務省の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、米国人(注1)は同日以降、ロシア中央銀行、国民福祉基金およびロシア財務省との全ての取引が禁止される。ただし、同時に発表された一般許可(General License)8APDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に基づき、ロシア中央銀行との特定のエネルギー関連の取引は、米国東部時間の2022年6月24日まで認められる。米国政府は2月22日に、米国金融機関によるこれら3機関の新規発行債券の取引を禁じたが(2022年2月24日記事参照)、今回の措置を通じて制裁対象となる取引の範囲が拡大されたかたちだ。他方、在米資産の凍結を含む「特別指定国民(SDN)」への指定は見送っている。

今回のロシア中央銀行を対象とした制裁強化は、米国が2月26日に欧州委員会や欧州各国、カナダと発表した共同声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで宣言していた追加制裁の一部を実行に移したものだ(2022年2月28日記事参照)。本措置は、これまでの制裁によって暴落したロシア通貨ルーブルの価値を支えるべく、ロシア政府が中央銀行を通じて外国の金融機関からルーブルを買う手立てを防ぐことが目的とされる。なお、26日の共同声明には、今後指定するロシアの銀行を国際銀行間通信協会(SWIFT)の決済ネットワークから排除する追加制裁も含まれているが、米政府高官が同日に行った記者向けの説明によると、排除の対象となる銀行のリストは現在作成中で、SWIFT本部がベルギーに所在するためEUが最終決定を行うことになる。

また米財務省は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領や同氏に近い人物が海外での資金調達に利用していたとされる、政府系ファンドのロシア直接投資基金(RDIF)および同基金の運用会社とその子会社をSDNに指定した。SDNに指定された事業体には、在米資産の凍結や、米国人との資金・物品・サービスの取引禁止措置が科される(注2)。

ウクライナへの支援について、米国務省は2月26日に軍事的支援のために最大3億5,000万ドル、27日に人道的支援のために5,400万ドルを拠出することを発表した。また、バイデン政権は26日に、連邦議会に対して現在審議中の2022会計年度政府予算に合計64億ドルのウクライナ支援予算を含むよう提案したとされている(政治専門誌「ポリティコ」2月25日)。米国務省は28日、安全確保の観点から在ベラルーシ大使館の業務を停止するとともに、在ロシア大使館の非緊急要員とその家族の任意の出国を認めた。

(注1)米国市民、米国永住者、米国の法律に基づく、もしくは司法権が及ぶ域内に存在する法人(外国支所も含む)、もしくは米国内に存在するあらゆる個人を指す。

(注2)SDN指定を受けた事業体・個人が、直接・間接的に50%以上を所有する事業体も同じく制裁の対象。

(磯部真一)

(米国、ロシア、ウクライナ)

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