インドネシア政府声明、ウクライナ問題でロシア名指し避けつつ「容認できず」

(インドネシア、ロシア、ウクライナ)

ジャカルタ発

2022年03月02日

インドネシア外務省は2月25日、ロシアがウクライナへの軍事行動を進めていることについて、「容認できない」とする政府声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。外務省のウェブサイトに掲載されている声明は主に以下のとおり。

  1. 領土保全と主権の尊重を含む、国連憲章と国際法の目的と原則の尊重が不可欠。
  2. 従って、ウクライナでの軍事行動は容認できない。攻撃は人々の安全を危険にさらし、地域と世界の平和と安定を脅かす。
  3. インドネシアは、この状況を直ちに停止し、全ての当事者が敵対行為をやめ、外交を通じて平和的解決を優先することを要求する。
  4. インドネシアは国連安全保障理事会に対し、状況の悪化を防ぐための具体的な措置を講じるよう要請する。
  5. 政府は外務省を通じて、インドネシア国民の避難計画を作成した。 インドネシア国民の安全は常に政府の優先事項。

同声明の発表に先立ち、ジョコ・ウィドド大統領は24日、自身の公式ツイッターで「戦争をやめなさい。戦争は人類を苦しめ、世界を危険にさらす」と、国名を明記しないかたちで声明を発表した。今回の外務省の声明では「ウクライナでの軍事攻撃」と記し、より具体的にインドネシアとしての見解を表明したものだ。

外務省発表について、インドネシア大学の国際法教授のヒクマハント・ジュワナ氏は「ウクライナに対するロシアの行動を正当化または非難する立場を取るべきではない」とし、「自由で活動的な外交政策に害を及ぼす可能性がある」とコメントした。外務省が「容認できない」との文言を使用したことで、インドネシアが米国や英国、オーストラリアなどと同じ立場にあるとロシアが認識するのではないかとの懸念を示した(「CNN Indonesia」2月27日)。

一方で、声明に「ロシア」の国名が記載されていないことについて、インドネシア国会第一議会のファドリ・ゾン議員は「ロシアとウクライナ双方ともインドネシアの友好国であり、両国間の紛争への対応に政府は慎重になっている」と述べ、政府が両国との関係に配慮した可能性を示唆した(「detik.com」2月27日)。

インドネシアが開催国の2022年のG20への影響を懸念する声もみられる。ガジャマダ大学で国際関係を専門とするムハディ・スギオノ氏は、ロシアとウクライナの紛争にはほとんどのG20のメンバーが巻き込まれているとし、両国間の紛争がG20の議論に与える影響について、2022年のG20議長国インドネシアの手腕が試されるとの見解を示した(「CNN Indonesia」2月22日)。

グローバル・トレード・アトラスによると、インドネシアによるロシアとの貿易総額(2020年)は約19億3,200万ドルで、26番目の貿易相手国だ。インドネシアは、ロシアから鉄鋼製品や肥料、石炭などを輸入する一方で、パーム油などを輸出している。

(尾崎航)

(インドネシア、ロシア、ウクライナ)

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