タイの非常事態宣言、5月末までの延長を閣議承認

(タイ)

バンコク発

2022年03月29日

タイ政府は3月22日の閣議において、2005年非常事態令に基づく措置の適用を4月1日から2カ月延長外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますすることを承認した。これまで非常事態令に基づいて発令した措置や布告の効力を2022年5月31日まで延長する。2020年3月の発令以来17回目の延長措置となる。延長の理由は以下のとおり。

  1. 新型コロナウイルス、特に「オミクロン変異株」の感染が世界的に拡大、さらなるワクチン接種の必要性があること。
  2. ミャンマーからの違法な入国が継続しており監視する必要がある。加えて、これら違法入国者が、タイへ新型コロナウイルスを持ち込むリスクも高まっていること。
  3. 2022年2月から3月にかけて、タイ国内においても多くの感染者が発見され、感染の拡大が継続。政府のワクチン接種計画は進んでいるものの、オミクロン変異株に有効とされる3回目の接種(ブースター接種)割合が低いことなどが、医療体制やタイ国民の命にかかわるリスクとなる可能性があること。

以上から、引き続き、感染拡大の予防およびコントロールすることが必要なことなどから本措置の延長を判断した。

また、タイ政府は4月に予定されている、水かけ祭り(ソンクラーン)についても言及。4月のソンクラーン休暇中、帰省などによる人々の往来が活発化し、その結果、新型コロナウイルスの感染拡大につながる可能性がある。従って、非常事態宣言を発令した際には、行政の規制や指示などに従う必要がある。主な注意点として挙げられたのは次の3つ。(1)伝統的な祭りや活動に参加する人々は、ワクチンを指定回数接種済みであること。症状などの疑いがある場合は、イベントの参加を控える、またはイベントに参加する前72時間以内に抗原検査キット(ATK)の実施を検討する。(2)ソンクラーンに関連するイベントや活動の主催者などは、政府システムに登録、規制を順守しつつ実施する。(3)道路などの公共の場では、水しぶき、パウダー、泡立ちなどの行為は禁止。イベントエリアでのアルコール飲料の販売および消費も禁止する。

(岡本泰、ナオルンロート・ジラッパパー)

(タイ)

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