シンガポール、対ロシア制裁で4銀行の取引停止、輸出禁止品目も発表

(シンガポール、ロシア)

シンガポール発

2022年03月08日

シンガポール外務省は3月5日、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に対する金融制裁措置として、ロシアの4銀行との取引を禁止すると発表した。また、同省は、ロシアへの武器や軍事転用可能な民生品の輸出を禁止する。同省は2月28日にロシアへ制裁を科す方針を表明していた(2022年3月1日記事参照)。外務省は今回の制裁が「ロシアのウクライナへの主権侵害と軍事侵攻する能力を抑制するのが狙い」と述べた。

ロシアへの輸出を禁止するのは、「戦略物資(管理)規則(SGCO)2021年」にある軍用物資リストの全品目。また、SGCOの軍事転用可能な民生品(Dual-use Goods)リストの(1)エレクトロニクス(カテゴリー3)、(2)コンピュータ(カテゴリー4)、(3)通信と情報セキュリティー(カテゴリー5)の品目(注1)の輸出も禁止する。

また、外務省は金融制裁措置として、VTBバンク、プロムスビャジバンク、バンクロシア、ロシア開発・対外経済活動銀行(VEB)のロシア4銀行と、国内の金融機関との取引禁止を発表した。国内金融機関と同4銀行との間に既存の取引がある場合には、その資産と資金の凍結を命じた。さらに、上掲のSGCOの輸出禁止品目を輸出する際の金融関連サービスの提供も禁止。同品目の輸出に関わるロシアのノンバンクへの金融サービスの提供も禁止した。

このほか、シンガポールの金融機関が、(1)ロシア政府、(2)ロシア中央銀行、(3)ロシア政府または中央銀行が保有、または管理下にある機関が資金調達するための取引・金融サービス提供を行うことを禁止する。また、ウクライナ東部のドネツクとルガンスク両州における輸送や通信、エネルギー、原油・ガス・鉱物の採掘や生産に関係する取引・金融サービス提供を禁止した。さらに、上記の金融制裁を回避するための仮想通貨の取引も禁止する。

SGX、ガスプロムの海外預託証券の取引停止

一方、シンガポール取引所(SGX)は3月7日、外務省の金融制裁内容の発表を受けて、SGXに上場するロシア国営ガス会社ガスプロムの海外預託証券(GDR)「PJSCガスプロムGDR」の取引停止を発表した。SGXは、ロシア政府がガスプロムの経営権を50%以上保有していると指摘。ロシア政府管理下にある機関による資金調達活動に対する金融サービス提供を禁止する経済制裁を受けて、取引停止を決めた。

(注1)ロシアへの輸出が禁止される具体的な軍用物資リストと軍事転用可能な民生品リストは、SGCO2021外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(注2)具体的な金融制裁の内容は外務省の3月5日付発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。

(本田智津絵)

(シンガポール、ロシア)

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