ガソリン価格高騰でもロシア産原油禁輸を7割が支持、米大学世論調査

(米国、ロシア、ウクライナ)

米州課

2022年03月08日

米国コネチカット州のキニピアク大学は3月7日、ロシアのウクライナ侵攻に関する世論調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注1)を発表した。

それによると、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領によるウクライナ侵攻への対抗措置として、ガソリン価格が上昇しても、ロシア産原油の輸入を禁止する(注2)ことを71%が支持すると回答した。支持政党別でも、共和党支持者の66%、民主党支持者の82%、無党派層の70%が支持しており、足並みがそろっている。

ロシアのウクライナ侵攻へのジョー・バイデン大統領の対応については、56%が「タフではない」としており、30%が「妥当」と回答した。支持政党別でみると、民主党支持者では「タフではない」「妥当」がともに46%となり、意見が分かれた。共和党支持者の74%、無党派層の54%が「タフではない」としており、1週間前の調査結果とほぼ同じだった(2022年3月1日記事参照)。

キニピアク大学の世論調査アナリスト、ティム・マロイ氏は「米国人はロシアの主要な財政的生命線である原油を締め付ける準備ができている」と述べた。

また、ロシアの侵攻がウクライナを越えて、米国の同盟国であるNATO諸国に及んだ場合、米国が軍事的に対抗することを79%が支持した。

ロシアの侵攻がどれくらい続くかという見通しについては、「数カ月」が44%、「数年」が23%、「数週間」が19%だった。ウクライナからの避難民を米国で受け入れることには78%が支持した。

第二次大戦前のドイツを想起

ロシアのウクライナ侵攻は、第二次世界大戦前のドイツのアドルフ・ヒトラーによるオーストリア、チェコスロバキアへの侵攻になぞらえると50%が回答した。

また、ロシアの状況について、国民がプーチン大統領や政府の選択に対して発言権を持たないと86%が回答し、情報へのアクセスが制限されて国民がウクライナで起こっていることを理解してないと74%が認識している。

マロイ氏は「ロシア人は、プーチン大統領によって引き起こされている破壊についてほとんど知られておらず、止めることができない」「米国人の半数は、プーチンを現代史上最も暗い極悪人であるヒトラーに例えている」と語った。

(注1)調査実施時期は3月4~6日、調査対象は全米の成人1,374人。

(注2)連邦議会上院の超党派議員は3月3日、ロシアからの原油などのエネルギー輸入を全面的に禁止する法案を提出した(2022年3月7日記事参照)。

(松岡智恵子)

(米国、ロシア、ウクライナ)

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