産業財産庁、再生可能エネルギーに関する特許出願動向を発表

(ブラジル)

サンパウロ発

2022年03月16日

ブラジル産業財産庁(INPI)は3月9日、過去10年間にブラジル居住者によって行われた再生可能エネルギーに関する特許出願動向の調査結果を発表した。

調査によると、水力、風力、太陽光発電などの技術に関連する特許出願は、2010年から2021年までの間に765件出願されており、そのうち383件が太陽光発電、233件が水力発電、205件が風力発電となっている(注)。特に、太陽光発電に関する特許出願が増加傾向にあるという。

出願の多くは大学からのものだが、企業からの出願も148社に上る。特許出願人の所在地としては、ブラジル経済の中心であるブラジル南東部や、製造業も多く集積する南部が多く、サンパウロ州で250件、ミナスジェライス州で108件、パラナ州で77件、リオデジャネイロ州で71件となっている。

全国エネルギーシステム組織化機構(ONS)によると、2022年のブラジルのエネルギー電力の割合は、水力(62.5%)、風力(11.9%)、太陽光(2.7%)となっている。また、ドイツの調査会社Statistaによれば、2020年のブラジルの再生可能エネルギーの設備容量は、中国、米国に次ぐ3位。再生可能エネルギー分野におけるブラジル市場への関心は高い。

現在INPIは、世界知的所有権機関(WIPO)による「WIPO GREEN」というグリーンテクノロジー分野における技術プラットフォームを通じて、技術ニーズとシーズのマッチングイベントなどによる関係者間の技術提携を促進している。

今回の調査が、ブラジルの再生可能エネルギー分野における関係者間の協力や提携に資することが期待される。

(注)1件の出願が複数の分野に分類されているため、1件の出願が複数回カウントされている場合がある。

(貝沼憲司)

(ブラジル)

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