グローバル・ブレインがエジプトのヘルステックに出資、アフリカでは初

日本の大手ベンチャーキャピタル（VC）のグローバル・ブレインは3月7日、エジプトのヘルスケアテック企業、シェファア（Chefaa）に出資したことを発表した。同社のアフリカ地域への出資は初めてとなる。

シェファアは、エジプトで「国民の医薬品アクセスの向上」を目指し、近くの薬局から、医薬品や消費財などを配達するデジタル薬局を主軸とした包括的な医療サービスプラットフォームを提供している（2020年1月24日付地域・分析レポート参照）。エジプトでは、薬局によって在庫状況にばらつきがあり、患者が近くの薬局で薬を入手できない場合がある。同プラットフォームを通じて患者が処方箋をアップロードすると、在庫を持つ最寄りの薬局から最短時間で薬を受け取ることができる。2021年12月時点で、シェファアを通じた注文数は月間約7万件まで増加しており、エジプト国内の提携薬局も1,000店舗を超えた。

グローバル・ブレイン代表取締役社長の百合本安彦氏は、2022年3月7日にジェトロが行ったインタビューで、「シェファアはデジタル薬局だけでなく、国内初のアラビア語による医療メディアや、24時間対応可能な薬相談窓口を設置するなど、地域の医薬品リテラシーの向上にも貢献している。シェファアの経営層を高く評価しており、中東・北アフリカ地域における医薬品市場の成長ポテンシャルなども考慮した上で出資を決定した」と出資理由を説明した。

（井澤壌士）