郵船ロジスティクスに聞く、ウクライナ危機によるバングラデシュへの影響

(バングラデシュ、日本)

ダッカ発

2022年03月11日

ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、世界中で資源価格や物流費の高騰が見られる中、バングラデシュへの物流面での影響について、郵船ロジスティクス・バングラデシュの大友芳光ディレクターに聞いた(3月9日)。

(問)ウクライナ危機によるバングラデシュへの物流の影響は。

(答)バングラデシュ発着の物流には現在、大きな影響は見られていないものの、複数の海上輸送船会社はウクライナとロシア向けサービスの停止を発表。欧米向け海上輸送については、2022年第1四半期(1~3月)は過去に例を見ない高額な海上運賃で輸送が行われており、船腹供給減少などによる影響や価格動向を注視している。

(問)今後の物流における懸念点は。

(答)航空輸送では、バングラデシュから欧州向けのフライトキャンセルはなく、通常運航が継続している。しかし、米国や英国によるロシア産原油の禁輸、輸入停止措置による燃料費の高騰や、貨物輸送を優先した旅客便の減便などの影響を受け、既に高止まりしている中で、航空運賃のさらなる上昇が懸念事項だ。

なお、3月7日時点のダッカ出し貨物航空需要は現在、衣類関連が春物出荷を終えて一段落している時期のため、主要仕向け地である欧米や日本についての運賃は大きな変動は見られない。

(問)日本とバングラデシュ間の物流に与える影響は。

(答)日本から欧州向けのフライトが欠航となるなど、世界規模で航空便・船便ともにスペースが不足することも予想され、バングラデシュにも物流面での影響が及ぶ可能性がある。主要産業である縫製業をはじめとして、原材料や機械(などの資本財)に大きく依存しているバングラデシュとしては、輸出・輸入双方で影響を受ける可能性が高く、リードタイムの長期化なども懸念されそうだ。

(安藤裕二)

(バングラデシュ、日本)

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